福岡大会決勝は、九州国際大付が春夏連続の甲子園出場を決めた。筑陽学園に1-0で競り勝ち、3連覇を果たした16年以来、6年ぶり8度目の優勝。先発した2年生右腕の池田悠舞投手が3安打で完封した。山口大会では、下関国際が4年ぶり3度目の優勝。これで九州、沖縄、山口地区の代表9校がそろった。

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背番号「11」の2年生が、最後までマウンドを守った。1-0の9回2死。池田が最終打者を中飛に打ち取ると、右腕は3年生にもみくちゃにされた。「外野には頼れる3年生がいます。フライを取った瞬間は本当にうれしかった」。3安打完封で、春夏連続の甲子園出場に導いた。

大会を通じて、チームは非常事態だった。エース左腕の香西一希投手(3年)が、体調不良で途中離脱。新戦力の台頭が必須の中、池田は今夏、34イニングで防御率1・59だった。この日も三塁を踏ませない力投。「神様のような存在」と尊敬するエースを救った。

池田 香西さんのためでした。今日も自分の活躍というよりは、香西さんに甲子園をプレゼントをするという気持ちで挑んでいました。それを達成できた。自分の結果よりも、そっちのほうがうれしいです。

1年生の時は打撃投手。打者が最も気持ちよく打つことができるような、細かな制球力を磨いてきた。元西武の楠城徹監督(71)も「本当に心強い」と、2年生をたたえた。

香西はこの日の決勝戦からベンチ入りし、すでに投球練習などを行っている。8月6日開幕の甲子園には間に合う見込みだ。「1点もやれない状況でしっかり踏ん張れるのが池田の強さだと思う。頼もしかったです」と、後輩の好投に安心した表情だった。

3連覇を果たした16年以来、6年ぶり8度目の優勝。136校が参加した戦国福岡の頂点に立った。打線は2年生スラッガーの佐倉や、プロ注目の黒田、野田がいる。投手陣にはエース香西に、池田や木塚が成長した。今春のセンバツでは8強。楠城監督は「甲子園ではやり残したことがある」と話した。九国が「深紅の大優勝旗」を福岡に持ち帰る。【只松憲】

◆池田悠舞(いけだ・ゆうま)2005年(平17)6月9日生まれ、福岡県北九州市出身。曽根小2年の時に「沼スポーツ少年団」で野球を始める。曽根中では軟式野球部に所属。九州国際大付では2年春のセンバツから、背番号「18」でベンチ入り。最速は134キロ。憧れの選手はオリックス山本由伸、ソフトバンク中村晃。175センチ、77キロ。右投げ左打ち。

◆九州国際大付 1958年(昭33)に八幡大付として創立の私立校。89年から現校名。普通科のみで生徒数1669人(女子763人)。野球部も58年創部で部員62人。甲子園出場は春は3度、夏は8度目。OBに阪神二保旭、DeNA高城俊人、広島三好匠、日本ハム清水優心、オリックス富山凌雅ら。北九州市八幡東区枝光5の9の1。西元孝幸校長。