秋季高校野球静岡県大会が、10日に静岡市・草薙球場などで開幕する。5日に組み合わせ抽選会が静岡市内で行われ、出場37校の対戦カードが決まった。県勢では2014年夏~15年夏の静岡高以来の3季連続甲子園を狙う日大三島が、新チーム初陣となる11日の2回戦で磐田東と対戦。新主将に就任した永野陽大(ひろ)内野手(2年)を軸に、上位3校に与えられる東海大会(来月22日開幕、静岡)出場権を目指す。

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永野が、日大三島をけん引する。先月9日の新チーム始動から約1週間後、永田裕治監督(58)から主将に任命された。前チームから主力として活躍する新リーダーは「もともと引っ張っていかなければいけない立場。驚きはなく、やってやるぞと気が引き締まった」。決意と自覚を胸に、新たな1歩を踏み出した。

心に留める言葉がある。「キャプテンでチームは変わる」。2017年に大阪桐蔭高の主将を務めた福井章吾(23=トヨタ自動車捕手)の言葉だ。同校を同年のセンバツ、慶大でもチームをリーグ優勝に導いた「主将力」に、永野は憧れた。「『こいつがいれば大丈夫』という信頼感のある主将になりたい」と理想に掲げる。

1回戦で国学院栃木に3-10で敗れた夏の甲子園は「6番・右翼」で先発。4回2死二塁の場面では、左中間を破る適時三塁打を放った。「良いイメージがつかめた」。聖地初安打を皮切りに、現在も好調を維持。新チームでは、4番に座る可能性も十分だ。

今大会初戦で磐田東と対する。「初戦はものすごく大事。難しくなることもわかっている。先を見ずに1戦1戦、戦っていきたい」。目指すは、1学年上の先輩たちが届かなかった「甲子園1勝」。目標に向け、チームの先頭に立つ。【前田和哉】

◆永野陽大(ながの・ひろ)2005年(平17)4月24日、静岡市生まれ。小3時に西奈南野球スポーツ少年団で野球を始め、竜爪中2年時に全国大会4強。右投げ右打ち。家族は両親、妹、弟。173センチ、74キロ。血液型O。

■副主将2人体制

現チームから2人体制となった副主将は、野田優磨捕手と寺崎琉偉(るい)外野手(いずれも2年)が任された。永野同様、前チームから主力として今年、2度の甲子園を経験。野田が「自分たちが背中で見せていかないといけない。3人で引っ張っていきたい」と言えば、寺崎も「外野から全体を見渡せる。どんどん声を出して、チームの助けになっていきたい」と抱負を語った。