新4番の先制打が、10得点での優勝を呼び込んだ。

1回1死二、三塁の好機で打席に立ったのは、山崎漣音(れん)内野手(3年)。「気持ちで負けず、全員で初回から相手に向かっていこう」という言葉通りの積極的な打撃で、口火を切った。「自分の前にバントしてくれた中山(優月、3年)のため、チームのために打ちたかった。狙っていた」。変化球をとらえ、左中間へ先制の2点二塁打。続く2回の第2打席でも中前適時打を放ち、チームに勢いを与えた。

今大会から4番を任された山崎は、小坂将商監督(45)からの「4番と気負わず、4番目の打順と考えろ」という言葉でリラックスして打席に臨んだ。目標とする選手には、2年先輩の山下陽輔内野手(法大2年)の名を挙げた。「2年前の山下さんを間近で見ていて、謙虚で頼りになる4番だと思った」。そう丁寧に話した山崎にも、既に謙虚さは漂っている。

あとは、より頼りになる4番打者として結果を出し続けること。そのために下半身のトレーニングに精を出す二塁手は「夏に向けて優勝できたのは良かった。奈良大会で絶対優勝して、甲子園でプレーしたい」と次の目標に目を向けた。

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