今春センバツに出場し、関東大会も制した高崎健康福祉大高崎(群馬)が、2人の1年生投手による「化学反応」で8年ぶりとなる夏の甲子園を目指す。

春の関東大会でエースナンバーを背負ったのは、神奈川出身の左腕・佐藤龍月(りゅうが)投手。最速143キロの直球と「一番自信がある」という鋭いスライダーで三振を量産するなど完成度の高さが魅力だ。北海道出身の右腕・石垣元気投手は、最速145キロの威力のある直球が武器。「とにかく球速にこだわっている。目標はまず148キロ」と球速を追い求めている。

そんな2人は、初の寮生活を送る。「毎週日曜日にお母さんが持ってきてくれるお弁当が楽しみ」(佐藤)「毎日のように両親とLINEをしている」(石垣)と、あどけなさが残る。

だが、マウンドに上がると表情は一変する。青柳博文監督(50)は「投手陣の競争が激化して全体のレベルが上がった。野手もそれにつられて奮起している。佐藤は完成度が高く、石垣はここまで(球速が)出るとは思わなかった」と両投手を評価する。初めて迎える夏の大会。お互いの印象を「しっかりしている」と石垣が言えば、佐藤は「ちょっと抜けてるところがある」と話すなど、性格は正反対。それでも「チームを勝利に導く」と目標は同じだ。チームの救世主となるべく、今夏、2人の1年生が大車輪の活躍を見せる。【黒須亮】