文星芸大付(栃木)が伝統の「ライオン主義」を胸に、圧倒的な攻撃力で栃木に新時代を築き上げる。

その打線の中心となるのが3番を打つ曽我雄斗内野手(3年)と4番の小林優太内野手(3年)だ。曽我は1年夏からレギュラーとして活躍するなど経験十分。166センチと小柄だが「無心で来た球をフルスイングするのが武器」とパンチ力が持ち味。小林は180センチ、85キロの体から生み出されるパワーに加え、元捕手の経験を生かし「配球を読んで打つ」と長打を量産する。

昨秋と今春の県大会ではいずれも作新学院に敗れた。「実力差はそこまで感じなかったが、粘り強さが違う」(小林)と王者を分析する。「打倒・作新」に向け「普段の練習から試合を意識して自分にプレッシャーをかけることにチームとして取り組んできた」(曽我)と話す。

栃木県内の自宅から通学する2人は毎日母の作る弁当を持参。試合前日は「とんかつやカツ丼が多い」(曽我)「卵焼きが好き」(小林)とパワーの源も明かす。

高根沢力監督(49)は「曽我は物おじしない選手で小林は優しい子。性格は正反対だが内に秘めるものは同じ。普段通りプレーすることがポイントとなるチームの軸になる」と期待値も高い。

文星芸大付には前身の宇都宮学園時代から受け継がれる「ライオン主義」という校是(こうぜ)がある。「獲物を捕らえるライオンのように目の前の全てのことに全力を尽くす」という意味だ。今年のチームのスローガンは「獅命(しめい)~託された想いを胸に新時代へ~」。今も伝統は選手に根付いている。夏の甲子園は10回の出場を誇るが、07年の優勝を最後に栃木の覇権を作新学院に奪われてきた。「堂々と戦って作新に圧倒的に勝利する」と口をそろえるなど、今年に懸ける思いは強い。伝統校「文星」が持ち前の攻撃力を引っさげ16年ぶりに栃木の夏を制する。【黒須亮】