奈良大付は天理へのリベンジはならなかった。9回2死二塁。最後の打者となった野沢賜恩(しおん)外野手(3年)は、泣き崩れて動けなかった。

田中一訓監督(49)は「3年生が好きなんで。最後に意地を見せてくれたのが本当にうれしい。勝たせたいというか、勝ってほしかった」とあふれる涙をぬぐった。春は完敗した相手に対して、8回に8点を奪われても反撃し、1点差に迫った。最後までベンチでナインを鼓舞した田中監督の姿に、武広祐輝主将(3年)は言った。「将来は監督のように、懐の広い人間になりたい」。一丸のチームが短い夏を終えた。