初出場の酪農学園大とわの森三愛が、札幌大谷を5-1で下し、3季通じて道大会初勝利を挙げた。先発右腕の貞尾陽光(ひかる)投手(1年)は毎回走者を背負いながらも、要所を締め、9回134球で完投。強力打線を誇る札幌大谷に10安打こそ許したが、1失点に抑えた。この日の出来に「90点です」と照れ笑い。「緊張したけど、楽しい気持ちの方が強かった」と振り返った。
打線は3回までパーフェクトに抑え込まれたが、4回に上位打線が機能し、得点が生まれた。2死二、三塁とし、5番堀内亮太左翼手(1年)がレフトの頭上を越す先制2点適時二塁打。「思い切って振ろうと思った。少し上がり過ぎたと思ったけど、抜けてくれてよかった」と応援団のいるスタンドを沸かせた。
機動力も際立った。7回2死一、三塁からダブルスチールをしかけて得点を奪った。長い時には最大2時間ほど走塁練習に時間を割くこともあり、一塁走者だった中村悠飛主将(2年)は「練習通りできて、得点になってうれしい」と胸を張った。
帯広農を率いて21年夏の甲子園に出場した前田康晴監督(47)は新天地で道大会初白星。「覚悟してここに来た。これでまた頑張っていけるかな」と目を潤ませた。準々決勝で東海大札幌と旭川実の勝者と対戦する。貞尾は「自分たちは甲子園を目指している。まだ1勝。次も頑張りたい」と先を見据えている。歴史に残るこの1勝を通過点とし、さらに上を目指す。【山崎純一】

