入場行進の司会を務めた長崎・諫早高の古賀美希さんと岐阜北高の古田桃香さん(ともに3年)は、大観衆の前で大役を果たし、出来についてともに「100点満点です」と声をそろえた。

古賀さんは「元気にハツラツに笑顔で読むことができた。悔いはない。楽しかったです」と笑顔。生まれつき視覚障がいがある古田さんは「生まれてきてよかったな…と思いました。終わったら安心して涙が止まりませんでした。今も泣きそうです」と目にいっぱいの涙をためた。

古田さんは第70回NHK杯全国高校放送コンテストの朗読部門の優勝し、今回のチャンスをつかんだ。視神経乳頭低形成という病気で左目は光を感じる程度、右目は視力0・08という弱視。「手元に近づけると自分で起こした原稿は読めます。練習の時は目に近づけて読みますが、大会となるとマイクと口の間に原稿を置けない。暗記をしています。でも、感情の込め方、読み方、イントネーションを工夫する練習をしているうちに、体に入っていくんですよ」。この日も司会の台本は全て暗記。ひと言、ひと言、丁寧に言葉をつないだ。

かすかに見える甲子園を心に焼き付けた。「選手の皆さんの姿はボヤっとしか見えないんですが、32校の主将がセンバツ旗を持って前に集まって来られた姿は見えました。迫力があって華やかでワクワクしました」。選手たちの大舞台。大切な大会の幕開けを実感した。「憧れを持って夢を描いてたどり着く場所なんだと感じました。節目の年に役割を果たせて本当にうれしいです。感動しています」と声を震わせた。

夢は、障がい者を支える仕事に就くこと。「こうして多くの人に支えられてきた。将来は障がいをもった人、ハンディをを抱える方の力になれるような仕事につければと思っています」。センバツ大会は今年100年を迎える。記念すべき開会式での経験を胸に、古田さんもまた、新たな1歩を踏み出す。【保坂淑子】