春夏連覇のカギは-。第106回全国高校野球選手権が7日、阪神甲子園球場で開幕する。6日は開会式のリハーサルと監督対談が行われた。センバツ王者の健大高崎(群馬)は第1日の第2試合で英明(香川)と対戦。午後4時開始予定で、今夏から採用の「朝夕2部制」の記念すべき初戦になる。エース佐藤龍月投手(2年)を故障で欠く大会になるものの“かけ算の野球”を志し、前日は座禅で心を1つにした。
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初戦が迫る健大高崎ナインが芝生に座り、目を閉じた。箱山遥人主将(3年)は「無になると感性が磨かれるので。虫や鳥の声や、風の音だけが聞こえて」と粋なことを言う。
パリ五輪メダリストもメンタルトレで行う座禅を、春から取り入れる。その担い手の“野球和尚”と呼ばれる人物が、座禅を始める前にナインに熱く説いた。
「チームは足し算じゃない。掛け算だ。1人抜けたなら、他が1でも2でも力を上げれば、全体ですぐに同じ数値になれる」
センバツ優勝投手の佐藤が左肘痛で戦列を離れた。周囲に違和感をこっそり伝えながら、チームのために群馬大会を投げ抜いた。箱山も、背番号1の石垣元気投手(2年)も「甲子園へ導いてくれた」と佐藤の功績に頭を下げる。
存在は大きいが、穴は全員で埋められる。181センチ左腕の下重賢慎投手(2年)は独特の角度から力強く投げ、群馬大会では10者連続奪三振も記録した。センバツではスタンド応援組で、甲子園の実績はゼロ。野球和尚はこうも言った。
「掛け算のチームだよ。だから1人でもゼロがいたら負けちゃうよ!!」
ここでのゼロは実績のことではなく、ワンチームへの思い。下重も「試合に近づくにつれて意識も強くなっていくので」と大事な初戦へ数値を高めていく。センバツVで注目急上昇。朝の開会式を終え、夕方の健大の試合を待つファンもいるだろう。
「健大が掲げるスペクタクル・ベースボールを。相手を圧倒して見る人を魅了する野球をしたいです」
揺るがぬリーダーとして、箱山の数値は誰よりも大きい。【金子真仁】

