6年ぶり6度目出場の鳥取城北が、年に1、2度練習試合を行い、20年夏の甲子園高校野球交流試合で敗れた明徳義塾(高知)との対戦で完封負けを喫した。今春の練習試合でも敗れたが、リベンジを果たすことはできず、同校12年ぶり夏の勝利を逃し、鳥取県勢は14年の八頭(やず)以来、夏は白星が無い。
4番で主将の石黒尚(なお)捕手(3年)は2打数1安打1四球。高校通算29本塁打でプロも注目している。1点を追う2回の第1打席は先頭打者で1球目から果敢にスイングし中前打。ベンチを見て拳を握りガッツポーズで喜んだ。昨春センバツも4番を務め「センバツでは初球から振りにいけなかった。今回は絶対に初球から振っていく気持ち。1発で仕留められて良かった」と振り返った。
敗戦直後も明るい表情で相手選手に「優勝してくれ。俺らの分も頼む」と伝えた。しかし、米谷太希外野手(3年)からグラウンドを去る際に「1年間本当にありがとう。尚で良かった」と言われ涙があふれた。「笑顔で貫き通さないとダメだったが、最後に最高の仲間とここでできて良かったという気持ちがこみ上げてきた」と明かした。
昨夏の鳥取大会では敗退した準決勝で走塁ミス。「悔しい気持ちでいっぱいになって、涙が止まらなかった」。リベンジに燃えた今夏、念願となる夏の聖地でプレーし「この甲子園が一番の思い出。最高の高校野球人生だった」と涙ながらに語った。もちろん悔しさもあったが「自分について行くと決めてくれた」仲間と憧れの場所に来られた喜びや感動も含んだ涙だ。
母の曜子さん(39)は「楽しんでいるかな。笑っているかな」とスタンドから見守り、息子は明るい表情の勇姿で応えた。母も昨夏は「見ていてつらかった」と明かし「ずっと行きたいって言っていたから夢がかなったんだな」と喜んだ。
大林仁監督(40)は「石黒中心にまずあいさつから変えて、いろいろなことに気づくようになった。野球以外のところでしっかりコントロールできたので、野球もコントロールできて来たのかな」と語った。進路は未定だ。【塚本光】

