日刊スポーツ高校野球取材班が今センバツ期間中に紹介できなかった話題を「センバツ こぼれ話」と題して取り上げる。第4回は大阪桐蔭OB青学大・星子天真内野手(4年)とトヨタ自動車・福井章吾捕手(26)が感じた春夏通算10度目の甲子園優勝。

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22年に大阪桐蔭の主将としてセンバツ優勝を果たした青学大の星子天真内野手(4年)は母校が決勝に進出を決めた29日、久しぶりに高校3年時、主将、副主将で毎日書き込んだ「幹部ノート」を開いた。1ページ目は、西谷浩一監督(56)の問いで始まっていた。

西谷監督 2022年大阪桐蔭高校をどういうチームにしたいか。

星子 日本一にふさわしい愛されるチームにしたいと思っています。

西谷監督 日本一になりたい、そんなことは誰でも言えます。日本一になる。そのためには覚悟がいる。リーダーにはその他のメンバーの上をいく本物の覚悟がいる。日本一の主将になれ。

「僕自身、この言葉に痺れましたね。気持ちをあらたにしたのを覚えています」。21年は春夏の甲子園出場も春は初戦敗退、夏は2回戦敗退と結果を残すことはできなかった。「個々の能力が高くても勝てない。僕らの代は1枚岩になる。1人じゃ何もできないから」。チームメート1人1人にアプローチし全員が同じ方向を向き、同じ熱量で野球に向かい力を発揮した。

今年のチームを見て、感じることがあった。勝ってガッツポーズ、好プレーには全身で喜びを表現する後輩たちがいた。「純粋に甲子園で勝つ喜びと一体感が伝わってきた」。星子が高校生の頃は勝って当たり前。選手たちも、喜びを表に出さないのが王者のプライドだと思っていた。「時代が変わりつつあるのかな。いいチームだと思いました」。新たな変化を感じた。

トヨタ自動車の福井章吾捕手(26)も「一体感が大事。全員で1球に入り込めたから優勝できたと思う」と勝因を挙げた。

黒川虎雅主将(3年)が中心となり、気持ちをひとつに粘り強く勝利をつかんだ。勝利への一体感を先輩たちから引き継ぎ、新たな明るさで足跡を残した春。大阪桐蔭の歴史はまだまだ続く。【保坂淑子】