第108回全国高校野球選手権静岡大会の開会式が28日にしずてつスタジアム草薙で行われ、7月4日からいよいよ熱戦が始まる。注目選手などを紹介する連載「夏に煌めく」の第4回は、連覇を狙う聖隷クリストファーの高部陸投手(3年)と、春王者で初の甲子園を目指す知徳の渡辺大地投手(3年)。大会屈指の両左腕が、決意を胸にマウンドに上がる。【前田和哉】
◇ ◇ ◇
聖隷クリストファーで自身と向き合い続けた2年半。高部が、その成果を発揮する。「気持ちが入り過ぎることもなく、良い状態で練習できていると思う」。過度な気負いもない。自然体で7月11日に控える初戦へと準備を進めている。
苦い経験から始まった取り組みが夏を支える。2季連続の甲子園を目指した昨秋、東海大会準決勝で三重に2-10の7回コールド負け。6回10失点を喫した屈辱的な一戦を機にメモを取り始めた。足の上げ方、バランスなど。投球フォームを中心に試合ごとに気になったことを記してきた。
高部は「秋から積み重ねてきた自分の考えや、まとめてきたノートがある。(夏に)状態が悪くなってしまった時にも似た状況を探せる」と話す。今春に最速150キロまで伸ばした直球に切れ味鋭い変化球。加えて難局を乗り切るための「引き出し」も増えた。
6月上旬の練習試合で、今春センバツ優勝の大阪桐蔭に3-2で勝利を収めた。自身も7安打9奪三振完投。「気持ちが入った球は、強豪校にも通用すると感じられた。ちゃんと万全な状態で臨めたら、そこまで打たれることはない」と調整も順調のようだ。
初出場した昨夏の甲子園では、明秀学園日立(茨城)との初戦で1失点完投勝利。2回戦で西日本短大付(福岡)に1-2で惜敗したが、堂々たる投球で聖地を沸かせた。迎える集大成。「多くの方に応援してもらっていると感じた甲子園だった。勝つことで恩返しができる。もう1度出て、もっと勝ち進む姿を見せたい」と燃える。
再び大舞台へ-。その旅路は、浜北西と富士宮西の勝者と対戦する2回戦から始まる。左腕は「自分は楽しんでリズムに乗れている時が一番良い。最後の大会。みんなで一緒に楽しみたいと思う」と言った。その笑顔が輝くほど、連覇は現実味を帯びてくる。
◆高部陸(たかべ・りく)2009年(平21)1月5日生まれ、埼玉県出身。小1から根住少年野球で競技を始め、中学は武蔵嵐山ボーイズ。左投げ左打ち。家族は両親と姉2人。175センチ、73キロ。血液型O。

