<高校野球福島大会:聖光学院4-0須賀川>◇28日◇決勝

 福島県郡山市の開成山球場で行われた決勝で、聖光学院が須賀川をで下し、5年連続8度目の夏の甲子園出場を決めた。東京電力福島第1原発事故を受け、さまざまな放射線対策を実施した「異例の大会」の幕は閉じ、東日本大震災で大きな被害を受けた東北3県全てで代表校が出そろった。

 聖光学院高は県内外から選手が集まっており、津波で家や親族を失った部員もいる。震災の影響で例年より実戦不足で臨んだ大会だったが、5連覇を果たした。斎藤智也監督(48)は「震災を背負うことがどういうことかを言い続けてきた。福島を代表して甲子園に行く覚悟をもう一度整理したい」と表情を引き締めた。

 福島県いわき市出身の小沢宏明主将(18)は「地元への思いは強い。とにかく一瞬一瞬をやり切っていきたい」と意気込みを語った。

 福島大会では、試合開催日の早朝に各球場で放射線量を測定。国が屋外活動の制限基準としている毎時3・8マイクロシーベルトを超えた球場ではその日の試合を中止することを決めていたが、期間中に基準を超えた球場はなかった。