「清原2世」の呼び声の高いPL学園の勧野甲輝外野手(1年)が「腰椎(ようつい)分離症」で緊急入院し、センバツ(3月21日開幕)でのプレーが危ぶまれるピンチであることが21日、分かった。PL学園はセンバツ選考の重要参考資料となる昨秋の近畿大会で準優勝しており、23日の出場校選考委員会での選出は確実。大会の主役として甲子園デビューが期待される勧野だが、思いもしない緊急事態に陥った。

 勧野は7日の始動日から、大阪府富田林市のPL球場でチームメートとともに、冬の強化トレーニングに励んでいた。始動日には阪神スカウト陣が早くも視察に訪れるなど、注目の的だった。だが腰の痛みを河野有道監督(60)らに訴えるようになり、19日に大阪府内の病院で診察を受けたところ「腰椎分離症」と診断され、即入院。河野監督は「1年生離れした体格はしているが、まだ体幹が弱いのと、股(こ)関節の硬さ、走る際の姿勢が気になっていました。腰の痛みは、そのあたりにも原因があるのでしょう」と話した。入院期間は1週間の予定だが、回復が遅れればセンバツへの影響は大きくなる。

 勧野はPL学園では元オリックス清原以来となる1年夏から4番に座り、昨夏の南大阪大会では通算14打点、2本塁打を記録した。決勝で近大付にサヨナラ負けし、甲子園出場はならず「お世話になった3年生たちと一緒に甲子園に行けなかったのが、本当に悔しかった」と、次の春こその思いで練習してきた。開幕まで2カ月。16歳の逸材にとって、ケガとの試練の戦いが始まる。

 ◆勧野甲輝(かんの・こうき)1992年(平成4年)7月12日、大阪府生まれ。4歳から「富田林リトルリーグ」で外野手として野球を始め、PL小でも同チームで投手、遊撃、外野手。富田林二中では「富田林シニア」に所属し、2年秋には関西大会で優勝。PL学園では1年夏からベンチ入りし、南大阪大会準優勝。現在、高校通算11本塁打を放っている。好きな選手は元オリックス清原。182センチ、85キロ。右投げ右打ち。