<高校野球秋田大会>◇12日◇こまちスタジアム

 秋田では開会式が行われた。

 「被災地である岩手県の高校と試合をする機会がありました。そこで見た、諦めない心と全力で戦う姿に仲間の絆を感じました」。秋田大会開会式で金足農・木村達哉主将(3年)は宣誓した。心が揺さぶられた経験だけは、どうしても文面から外せなかった。

 6月下旬、東日本大震災で大被害を受けた大船渡(岩手)と練習試合を行った。ここで木村は大きな衝撃を受ける。アウトになってもベンチへ全力疾走し、ミスした選手には全員で声をかける相手ナイン。そんな姿を黙って見ている自分たち。「情けないと思った」。大船渡を見習い、今では「声と全力疾走は県内では負けない」ほどに成長した。きっかけをくれた“仲間”への感謝は絶対に伝えたかった。【湯浅知彦】