今オフ、メジャーのフリーエージェント(FA)市場は、過去に前例がないほど停滞していますが、2月に入り、少しずつ動く可能性が見えてきました。というのも、ダルビッシュ有(ドジャースFA)、ジェイク・アリエッタ(カブスFA)ら大物選手が未契約の一方で、球界最年長選手として現役続行を目指してきたバートロ・コローン(ツインズFA)が4日(日本時間5日)、レンジャーズとマイナー契約を交わしました。

 コローンといえば、1997年にインディアンスでメジャーデビューして以来、常に第一線で活躍。05年に21勝を挙げてサイ・ヤング賞に輝いたのをはじめ、昨季までの20年間で10チームを渡り歩きながら、通算240勝(176敗)を挙げた大ベテランです。ブレーブスとツインズに所属した昨季は、7勝14敗、防御率6・48と不本意な成績に終わりましたが、5月24日で45歳となる今季も、メジャーのマウンドに立つ意欲を見せています。

 球界全体に若返り策の傾向が見られる中、コローンの契約締結は、他のベテラン選手にとっても朗報と言えます。細部の条件面はともかく、依然として契約先が未定の44歳のイチロー(マーリンズFA)、42歳の上原浩治(カブスFA)に対しても、今後、具体的なオファーが届く可能性は十分にあります。実際、今年3月で41歳となるフェルナンド・ロドニーは、通算300セーブの実績が評価され、昨年末にツインズと契約。今季もクローザー候補の1人として期待されています。そのロドニーは「試合をコントロールできるのであれば、年齢は関係ない」と、年齢による印象ではなく、あくまでも実力重視で評価すべきだと主張しています。

 コローンの場合、開幕後に、メジャーのロースター入りを果たせば、年俸175万ドル(約1億9000万円)を手にできる契約となっています。コローンは1歳下のイチローにとっても長年のライバルであり、メジャー移籍以来、ジョン・ラッキー(カブスFA)の130打席に次いで118打席も対戦してきました。

 「50歳まで現役」を公言するイチローにすれば、盟友との再対決を実現させるためにも、まずはメジャー18年目の所属先を決めたいところです。