予想の範囲内でしたが、やはり今オフのストーブリーグは、例年以上にスローな動きで進んでいます。
本来であれば、11月のGM会議、12月のウインターミーティングを機に、一気に市場が動くのですが、コロナ禍の影響で今季はともに中止となりました。確かに、近年の交渉はメールやテキスト、オンラインでの折衝が中心となっていましたが、それでも対面交渉ができないことで、駆け引きや探り合いが長引いている側面は否定できません。
実際、今オフのFA市場の目玉と言われているトレバー・バウワー投手(レッズFA)、JT・リアルミュート捕手(フィリーズFA)、ジョージ・スプリンガー外野手(アストロズFA)らの行き先は、今のところまったく見えてきません。彼らの場合、例年であれば間違いなく100億円を超える長期の大型契約になるはずですが、公式戦が無観客で60試合に短縮されたこともあり、巨額の赤字となった各球団が資金繰りに頭を悩ませており、大物獲得に慎重になっているというわけです。
これまで(12月15日現在)に成立した契約の最高額は、ジェームス・マキャン捕手がメッツと結んだ4年総額4060万ドル(約42億6300万円)。争奪戦は億万長者のコーエン氏が新オーナーに就任したメッツの独壇場だったようで、ある意味で特例ともみられています。
しかも、米国はコロナ禍の第3波に見舞われ、感染者は増加する一方です。先日からワクチンの接種が始まりましたが、野球界をはじめスポーツ界に行き渡る時期は不明でもあり、機構・オーナー側は、開幕延期と試合数削減を検討しているといわれています。となると、来季、各球団はさらに収益減となる可能性があり、どうしても高額のFA選手に投資するリスクを避けようとする、との図式になってしまうわけです。
今後、クリスマス休暇までに交渉がまとまらなければ、越年どころか、キャンプ直前まで行き先が決まらない選手が続出することになりそうです。
つまり、交渉期限のあるポスティングを利用して移籍を目指す巨人菅野、日本ハム有原、西川にとっても、少なからず厄介な状況というわけです。ただ、悲観的になる必要もないでしょう。代理人の手腕や考え方にもよりますが、たとえ基本の条件面が抑え気味になったとしても、インセンティブでの補てん、オプトアウト(契約見直し)、オプション(契約選択権)の保持など、契約内容の幅を広げれば、交渉がスムーズに進む可能性は高まるような気がします。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)




