新天地ドジャースでますます目が離せない大谷翔平。彼の「魅せる」特別な瞬間や表情を、カンビンことニッカンスポーツ・カメラマン菅敏(すが・さとし)が選りすぐりの写真とともにその舞台裏を語る。

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大谷翔平さんの撮影では、毎度驚かされる事ばかり起こります。何年現場にいても、一挙手一投足に注目し、神経を研ぎ澄ますので、毎回心臓バクバクです。今年は新天地のドジャースです。初めて尽くしの初出場まで私の撮影シミュレーションは続きます。今回の私のミッションは、「初安打、もしくは本塁打の時に、ドジャースのユニホーム姿がよく写るように撮影すること」です。

【写真上段】19日、初のライブBP時にセンターからの位置で撮影。ここからだとバットを振り切った時にあまり胸元が見えません。

【写真中段】25日、ライトスタンドややセンターよりから撮影。これなら胸元がよく見えるかも。本番はドジャースの文字が入ったユニホームです。

【写真下段】そして迎えた26日、移籍後初めてホワイトソックスとのオープン戦に出場しました。私が選んだポジションはライトとセンターの間の右中間スタンド。1打席目は見逃しの三振、2打席目は二ゴロ併殺打。第3打席、ファインダーから表情を見る限りレフトフライかなぁと思う当たり。するとファンからの大歓声です。大谷さんはゆっくりとダイヤモンドを回ります。一瞬、ユニホームがはっきり見えたような気がしましたが、顔の方向はもちろん打球が飛ぶレフト方向を向いています。目の前の出来事にドキドキしながらシャッターを切ります。ベンチの選手たちに迎えられた後、カメラのモニターで確認しました。振り切った瞬間、しっかりとユニホームの文字や大谷さんの顔も見えます。ほっと一安心。

打った打球の方向は私のポジションとは正反対のレフト…。もし、私の予想が当たっていれば顔もこちらを向いていたはずでした。こちらの思惑とは裏腹でしたが、大谷さんの度肝を抜くパフォーマンスを撮れて感激です。【カメラマン・菅敏】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「カンビンのWEEKLY SHO!Time!!」)

2月26日、移籍後初出場したホワイトソックスの5回、左越えに2点本塁打を放つドジャース大谷(撮影・菅敏)
2月26日、移籍後初出場したホワイトソックスの5回、左越えに2点本塁打を放つドジャース大谷(撮影・菅敏)