エンゼルス大谷翔平投手(28)が元祖二刀流ベーブ・ルース以来、104年ぶりの同一シーズン「2桁勝利&2桁本塁打」を達成しました。ただ、これで満足することなく、とことんルースの二刀流記録を抜いてほしいと思います。

まず、投手部門では、その年(1918年)のルースは13勝7敗をマーク。大谷には13勝超え、さらに15勝以上を期待したいです。また、ルースは166回1/3を投げ、シーズン規定投球回もクリアしました。大谷にも規定投球回の162イニング、さらにルースの投球回を上回ってほしいです。

ほかにも、ルースは防御率2・22、WHIPは1・05といずれも好成績でした。大谷は現在、防御率2・68、WHIP1・05なので、WHIPはルース超えも十分に可能です。

一方、打撃部門では、ルースは11本塁打でした。ただし、当時は“飛ばないボール”の時代。ア・リーグ全体で96本塁打しかなく、1割強はルースのバットから飛び出したものでした。現在に置き換えたら、1人で358本も打った計算になります。そんな昔と比較するのは難しいですが、大谷には2年連続の40発超えを期待したいです。

また、ルースは95試合で50得点、95安打、66打点。大谷はすでに63得点、104安打、67打点をマーク。このペースなら2年連続の100得点、100打点以上も可能です。そうなれば、元ヤンキース松井秀喜を抜いて、日本人初の2年連続30本塁打、100打点、100得点となります。

あとは、ルースの出塁率・411、長打率・555、両率を足したOPS・966超えなるかです。大谷は現在、出塁率・346、長打率・499を足してOPS・845(成績はいずれも米時間13日現在)。昨年は日本人歴代最高のOPS・964をマークしているので、決して不可能な数字ではありません。

最終的に2年連続ア・リーグMVPに輝くためには、投打3冠部門だけでなく、投手として投球回数、防御率、WHIP、また打者としてOPSなどが重視されます。それだけに2桁勝利&2桁本塁打以外にも、どれだけルースの記録に追い付き、追い越すかが、賞レースの行方を占うでしょう。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)