現地24日に始まった2017年ワールドシリーズ。日本人としてはダルビッシュ有投手と前田健太投手を擁するドジャースが29年ぶりに世界一に輝くか注目されている。そのドジャースが3対1でアストロズを下した第1戦に関して、アメリカでの関心は昨年ほどではないという結果が出た。4大ネットワークの一つFOXによるテレビ中継の平均視聴者数は1497万人で、昨年の第1戦で記録した1936万人より約23%下がったと視聴率などを調査しているニールセンが発表したのだ。

 ただしこの数字は決して悪いものではない。一昨年の第1戦における平均視聴者数は1453万人で今年はこれを上回っている。また18歳から49歳の視聴率は3・9でこれは過去1週間で特に人気がずば抜けているプロアメリカンフットボールNFLをのぞけば、最も高い数字だった。

 むしろ昨年のワールドシリーズが特別だったともいえる。昨年のワールドシリーズには「山羊の呪い」で広く知られたカブスが71年ぶりに進出。さらに相手も68年ぶりの優勝をかけたインディアンズだった。しかも第7戦までもつれてカブスが108年ぶりの優勝を果たすという、まさに最高の展開となったのである。この結果テレビ中継の人気も高まり、第7戦の視聴者数は4004万人を記録。全戦の平均でも1290万人といずれも過去25年間で最高の結果となったのだ。

 さすがに今回はそこまでの注目度は得られないだろうというのが、放送関係者の見方である。ただし第1戦の数字が示すように決して期待が低いわけでもない。まずレギュラーシーズンに圧倒的な強さを示したチーム同士の対戦という点がある。ドジャースの104勝58敗に対し、アストロズは101勝61敗。共に100勝以上したチームがワールドシリーズでぶつかるのは1970年のオリオールズ(108勝54敗)とレッズ(102勝60敗)以来、47年ぶりなのだ。

 さらに全米有数の大都市を本拠に置くチームの対戦ということもある。ロサンゼルスは人口が400万人近く、全米第2の規模の都市だ。一方のヒューストンも人口が約230万人で第4位である。地元のチームが晴れの舞台に登場すれば、それだけ関心を持ち応援する人が増えると期待するのは当然だろう。

 それだけに特需だった昨年ほどではないにしろ第1戦の数字にほっとした関係者は多いようだ。出来れば再び第7戦までもつれて、さらなる盛り上がりを期待したいところだが。