激戦が続くリーグ優勝決定シリーズ。ナ・リーグではドジャースとブルワーズにより現地16日には第4戦が行われた。試合は延長13回、試合時間5時間15分という熱戦の末ドジャースがサヨナラ勝ちした。ただこの試合で最も騒然となったのは勝利の瞬間ではなく、10回裏に起こったにらみ合いで、さらにその”バトル”は試合後にまで続いた。

事の発端はドジャーズのマニー・マチャド内野手が放った遊撃へのゴロだった。一塁ベースをマチャド駆け抜けた際、ブルワーズのヘスス・アギラ一塁手と交錯し、ベースを踏んでいたアギラの右足とマチャドの左足がぶつかり、蹴ったような形になったのである。

これに対しマチャドがアギラにつめより、アギラがこれに口答えするような態度を示したことから両チームの選手が飛び出し、一触即発の状態になった。ただ幸い両者がすぐ離れたこともあって乱闘にはならず、退場などの処分にも至らなかった。

さらに13回裏にマチャドが左前安打で出塁しサヨナラ勝ちの走者となった際には、マチャドとアギラはお互いにタッチし、口を隠しながら何事か会話を交わしたことから、関係の回復がなされたように見え、この件は収束したようにも見えたのである。

が、これを蒸し返したのがブルワーズのクリスチャン・イエリチ外野手だった。今シーズン打率3割2分6厘、36本塁打でMVP候補にもなっているイエリチは試合後ロッカールームでメディアに対し「彼はああしたタイプの事故の歴史がある選手だ。一度なら事故だ。何度も何度も繰り返されればダーティなプレーだ。ダーティな選手によるダーティなプレーだ。選手としては彼をとても尊敬している。しかし試合でしたようなことをする誰かを尊敬することはできない。自分たちの試合で容認できない」と非難したのである。さらにニューヨーク・ポスト紙によれば放送禁止用語まで使って罵ったということだ。

これに対しマチャドは「僕は野球をやっているだけ。彼らのコメントであって、それに対して僕は何もできないよ。リプレーを見ただろうけど、僕はなんとか越えようとした。だけど彼(アギラ)の足に当たった。それがダーティなら、ダーティで、言いたいように言ったらいい」と話したということである。

翌日の第5戦は何事もなくドジャースが5対2で制し、シリーズに王手をかけたが、このバトルが再燃する懸念は残っている。