MLBのチーム首脳陣や代理人が集うゼネラルマネージャー(GM)会議が始まり、今オフのフリーエージェント市場が本格的にオープンした。今オフの目玉となっているのがナショナルズのブライス・ハーパー外野手の行方だ。

2010年のドラフト全体1位指名を受けたハーパーは5年総額990万ドルの契約でナショナルズに入団。12年にメジャーデビューを果たすと新人王を受賞する活躍を見せた。その後も期待に応え、15年には42本塁打99打点打率3割3分でナ・リーグMVPに輝いている。オールスターにも6度選出されるなど、MLBを代表する強打者となった。1年2162万ドルの契約でプレーした18年は開幕から不調だったものの、オールスターのホームランダービーで優勝すると後半は復調、自身発の100打点を記録し、34本塁打打率2割4分9厘という数字を残している。通算成績は本塁打184、打率2割7分9厘、打点521だ。

そんなハーパーであるだけにシーズン前から現ヤンキースのジャンカルロ・スタントン外野手が14年にマーリンズと結んだ総額3億2500万ドル(13年間)を上回る大型契約、場合によっては4億ドルに達する総額では史上最高となる契約を得るのではと噂されてきたのだ。

これに対して地元紙ワシントン・ポストは現地6日、ナショナルズがレギュラーシーズンの最終日にハーパーに長期契約のオファーを出したものの、却下されていたの証言を得たと報じている。記事によればハーパーはオファーの詳細を語らなかったものの、証言者の1人は「アグレッシブなオファー」で、2人は「歴史的」と表現したということだ。さらに同紙は10年3億ドルだったとしている。

ハーパーとその代理人スコット・ボラス氏はやはり4億ドルを望んでいるようで、ナショナルズのオファーはこれをかなり下回っていたため却下し、他チームからのオファーも集めて検討する道を選択したのだろうというのがもっぱらの見方である。

ただ総額もそうだが、10年を超える長期契約となると怪我などのリスクも高まり、おいそれと手を出せないのも事実だ。

ナショナルズのマイク・リゾGMは6日、「我々は確かに彼と契約しようと試みている。彼は我々の選手だ。今後どうなるか楽しみにしている」と語ったということで依然ハーパーを引き留める意志を見せたということである。他にはヤンキース、フィリーズ、カブス、ドジャースなどが獲得に乗り出すのではとみられている。

タフネゴシエーターとして知られるボラス氏の手腕が存分に発揮されることになりそうだ。その結果、どんな契約が生まれることになるだろう。