9月に入り、MLB2019年レギュラーシーズンも残り1カ月を切った。激戦が続く中、スポーツ専門局ESPNのウェブサイトは現地4日、「MLBレギュラーシーズン最後の25日間に見る25の物事」という記事を掲載している。3位にア・リーグのワイルドカード争いがレイズ、インディアンス、アスレチックスの三つ巴になっておりタイブレーカー制度で決まりそうだというトピックを取り上げていたり、2位でナ・リーグ中地区がカージナルスとカブスが激しく競っていることなどを紹介し、参考になる。

そんな中で目に付いたのが本塁打に関するトピックの多さだ。まず5位に入っているのが「ロナルド・アクーニャは40/40を達成するか」。ブレーブスのアクーニャ外野手はここまで36本塁打、33盗塁を記録しており、40本塁打、40盗塁を同時に記録する「40/40」を達成できるかというものである。

40/40はこれまで1988年に当時アスレチックスに所属していたホセ・カンセコ元外野手や1996年のジャイアンツ、バリー・ボンズ元外野手などこれまで4人しか達成していない。最後は2006年のアルフォード・ソリアーノがナショナルズで記録した46本塁打、41盗塁である。

記事では記録達成には本塁打も盗塁もまだ遠いように見えるものの、達成できればアクーニャにとって大きなインセンティブになると指摘し、実際先の4人も9月に入って大きく数字を伸ばしたことを紹介している。

ただそんな個人記録よりも大きなトピックとして挙げられたのが、1位に挙げられた「本塁打記録はいつ破られるか」だ。

シーズン前半から今シーズンはリーグ全体で本塁打がこれまでにないペースで増産されていることが話題となっていた。2017年に記録した6105本という記録を抜くのが確実な勢いで、その原因はボールが変わったことにあるのではという批判があり、7月にはボブ・マンフレッドMLBコミッショナーが「今年起こっていることはボールに起因すると考えている」との見解を示し、MLBが意図的に変更したことは否定しながら「研究者から今年のボールは少し抗力が少ないと聞いている。忘れないでほしいのはボールは手作りで、年によって差が出ること」と釈明したりもしている。

しかしその後も本塁打の量産は続いているのだ。現地3日までで5789本塁打を記録しており、1試合あたりの平均本塁打は1・40となっている。記事ではこのペースのままなら9月11日には新記録が生まれることになるとした。しかもその日にはリーグ最多の36被本塁打を記録しているタイガースのマシュー・ボイド投手がヤンキース戦で先発予定であることまで紹介している。

この他にも17位でメッツのピート・アロンソ一塁手が新人本塁打記録を破るか、21位でツインズがチームでの本塁打記録を破るかも取り上げられている。

本塁打を見るのは気持ちがいいものだが、確かにこうも多くなると疑問を感じずにはいられない。