現地11月1日にメッツの監督に就任したカルロス・ベルトランが史上3人目となる珍しい記録を達成する可能性があると地元紙ニューヨーク・ポストが5日付で報じている。

1998年にロイヤルズでメジャーデビューしたベルトランは走攻守に優れたスイッチヒッターとして活躍。翌年新人賞を受賞した他、メッツに在籍していた2006年から2008年にゴールドグラブ賞を、2006、2007年と2年連続でシルバースラッガー賞を獲得。オールスターには9回選ばれている。8チームを渡り歩いた後、2017年のアストロズを最後に現役を引退していた。引退直後、2014年から2016年まで在籍したヤンキースの監督候補となったもののかなわず、2018年12月にはヤンキースのスペシャルアドバイザーに就任、その後今回のメッツ監督の座を得た経緯がある。

さて、記事が伝えている記録とはメジャーの監督を務めている間に、選手としての功績で殿堂入りを果たすというものだ。意外にもこの記録を達成したのはヨギ・ベラとフランク・ロビンソンの2人だけだという。

ヤンキースで捕手として活躍したベラだが、1964年にヤンキースの監督を務めた後、65年にメッツで現役復帰したものの、そのまま引退、メッツのコーチとなった。1972年1月にサンデー・コーファックスなどと共に殿堂入りが発表された。その直後の4月に監督だったギル・ホッジスが心臓発作で亡くなり、急遽ベラが監督に就任することになったのである。そして1972年8月7日に正式に殿堂入りしている。

1956年にレッズでメジャーデビューしたロビンソンは強打者として活躍。オリオールズに在籍していた66年には三冠王に輝いている。75年には現役を続けながら、インディアンスの監督に就任。76年に現役を引退したが、その後81年にジャイアンツの監督となり、82年8月にハンク・アーロンなどと共に殿堂入りを果たしたのである。

こうして見るとなかなかに難しい記録であることがわかるのではないだろうか。ベルトランだが、今回の契約は3年間で、4年目はチームがオプションを持つ契約となっている。殿堂入りに関しては2022年冬に投票が行われ、2023年に正式に殿堂入りとなるいわゆる「2023クラス」から資格を得る。

2023年はオプションの年であるから、そこまでで結果を残していることが必須だ。果たして4年後、この記録は達成されるだろうか。

14年、ヤンキース時代のカルロス・ベルトラン
14年、ヤンキース時代のカルロス・ベルトラン