現地14日、クリーブランド・インディアンスがチーム名の「インディアンス」を変更すると発表した。今年黒人差別撲滅を訴えるブラック・ライブズ・マター運動が盛んになる中、ネーティブアメリカン(アメリカ先住民)にちなんだチーム名が人種差別的だという声に押された形だ。

インディアンスに関しては以前から批判があり、チームは昨年から先住民をあしらったマスコット、「チーフワフー」の使用を取りやめていた。現在はブロック文字の「C」を使用している。

この先住民にちなんだ名称に対する批判は北米のスポーツ界全体に広がっている。7月にはプロアメリカンフットボールNFLのワシントン・レッドスキンズが今シーズンから「レッドスキンズ」というチーム名の使用を中止し、新たなチーム名が決定するまでは「ワシントン・フットボールチーム」としてプレーしている。先住民の横顔を使用していたチームロゴもやはりブロック文字の「W」に変更された。またカナダではプロフットボールCFLでエドモントン・エキスモーズが、「エスキモー」と呼称していた先住民について、言葉としては「生肉を食べる人」という蔑称であり差別的という批判を受け、「エドモントン・フットボールチーム」にチーム名を変更している。

インディアンスは1915年から105年間現在の名称を使用してきたが、NFLワシントンがチーム名変更を発表した数時間後にチーム名の「全体的なレビュー」を行うことを公表していた。ポール・ドーラン・オーナーは今回の発表で「この名称はもはや我々の世界で受け入れられない」、「先住民はこれからも我々の歴史の一部だが、新しいチーム名で関係者とファンが一緒に前進する時だ」とコメントとしている。

今回、NFLなどと違うのは即座にチーム名を変更することはせず、当面インディアンスの名称を使い続けることだ。新チーム名は早くて再来年、2022年から使用することになるとされている。このあたりの判断もさらに論議を呼ぶことになるかもしれない。

先住民にちなんだチーム名としてはMLBではアトランタ・ブレーブス、NFLではカンザスシティ・チーフス、プロアイスホッケーNHLではシカゴ・ブラックホークスがある。これらのチームは現在のところ変更の予定はないと発表している。