MLBが若者層の取り込みを狙い、さまざまなアプローチを行っている。

4月1日の開幕日に行われたのはリーグの新たなパートナーであるTwitchでの試合そのものとはまったく関係のない番組の配信だった。アマゾン・ドット・コム傘下のTwitchは若者に人気のeスポーツの実況を中心とした動画配信サービスだ。そのTwitchでeスポーツの配信で人気のジェフ・アイゼンバンド氏が特別ゲストを迎え、ビデオゲームや選手のファッション、球場での食事などについて語る「メジャー・フェスト」という番組を6時間にわたり配信したのだ。この番組は現在も配信されており、これまで32万回以上視聴されている。Twitchでは飛び抜けた数字ではないものの、決して悪いものではない。

MLBはメジャーなプロスポーツの中でもファンの年齢層が高いという課題を長年抱えている。マーケティング会社オプティマム・スポーツの調査では2019年に全米中継された試合の平均視聴年齢は57歳だった。今後も先細りにならず、高い人気を維持するためには若いファンを増やすことが急務なのである。そしてそのためには若者が使う動画配信サービスやSNSでの展開に取り組んでいるのである。

MLBでマーケティングを担当するバーバラ・マクヒュー副社長は「ファンがすでに夢中になっている場所でファンと出会うことが重要です」とした上で、「時には、さまざまなことを試してみる必要がありますが、すべてがうまくいくとは限りません」と試行錯誤を続けていることを明かしている。

人気動画配信サービスYoutubeでは選手のフィールド外での生活を紹介する番組シリーズ「MLBオリジナルズ」を配信している。その視聴者の80パーセントが34歳以下だという。

さらに選手自らが情報発信することが重要だと捉え、元選手であるショーン・グリーン氏が設立したグリーンフライ社の技術を利用して写真やハイライトビデオを選手に配信するサービスも行っている。選手がアプリを使って特定の画像や動画を希望するメッセージを送ると、それらを提供するのだとか。さらにリーグはフィールド上で撮影するなどユニークな映像を撮影するライブコンテンツ・クリエーターと呼ばれるスタッフを雇い各スタジアムに配置する力の入れようだ。これによりメッツのスター選手フランシスコ・リンドーア遊撃手はインスタグラムで86万人のフォロワーを得るまでになっている。

まさにあの手この手といった取り組みの数々が花開くことに期待したい。