MLBレギュラーシーズンも残り3週間となり、プレーオフ進出はレイズやホワイトソックス、ブルワーズが2位に8ゲーム差以上をつけ独走する一方で、ナ・リーグ西地区はジャイアンツとドジャースがどちらも好調で2.5ゲーム差を争う状況だ。そんな中、ア・リーグのワイルドカード争いで進出圏の首位ブルージェイズに0.5ゲーム差、2位ヤンキースにゲーム差なしと激しく競りながらも野球以外の問題で苦しんでいるのがレッドソックスである。

14日、マリナーズ戦で復帰登板したレッドソックス沢村(AP)
14日、マリナーズ戦で復帰登板したレッドソックス沢村(AP)

チーム内で新型コロナウイルスへの感染が広がり、この2週間半の間に、12人の選手がCOVID-19の負傷者リストに登録される事態となっているのだ。登録されたのはザンダー・ボガーツ遊撃手やエンリケ・ヘルナンデス外野手など野手6人、沢村拓一投手やマット・バーンズ投手などリリーフ6人、ニック・ピベッタ投手とクリス・セール投手の先発2人となっている。

このためチームの選手層が著しく低下し、マイナーからの選手の引き上げなどがめまぐるしく行われることとなった。それでも9月に入って15日まで8勝6敗と勝ち越し、戦線に踏みとどまっているのは御の字といえるかもしれない。さらにボガーツやヘルナンデス、沢村、ピベッタなどがリストから脱し、復帰してきているのは朗報だ。ただまだ戻れていない選手も多く、特に通算112勝を挙げ、トミー・ジョン手術から8月に復帰して3連勝していたセールはシーズン終了まで復帰が望めないとみられている。

一方でレッドソックスにとって有利な要素として挙げられるのが残りの日程だ。現地17日から14試合あるが、ア・リーグ東地区で46勝98敗で最下位に沈むオリオールズ戦が6試合もあり、さらに最終3連戦は60勝86敗のナショナルズ戦なのだ。これらで着実に勝ち星を挙げることが重要になる。また24日からのヤンキースとの3連戦は大勝負となりそうだが、ホームなのでぜひ勝ち越したい。16日を含め試合のない日が4日あり、4連戦以上が最後の6連戦というのも現在の選手層を考えればありがたいことだろう。

デルタ株により感染者数が再拡大しているアメリカの状況を映し出したかのような困難に見舞われているレッドソックスがプレーオフに突き進めるか注目である。