現時点で大谷の交渉相手に挙げられた7球団にはある程度、共通点がある。まず本拠地はカブス、レンジャーズを除くといずれも西海岸にある。争奪戦から脱落したヤンキースのキャッシュマン・ゼネラルマネジャーが球団公式サイトで「ニューヨークが東海岸の大都市であることは変えられない」と大谷の西志向を示唆した。

 次にマリナーズのシアトルやジャイアンツのサンフランシスコ、レンジャーズのアーリントンなど中小規模の都市が多い。投打の「二刀流」は本場でも近年、ほとんど例がない。大都市の人気球団ならではのファンやメディアなどの厳しい視線にさらされるリスクは少ない。

 今季、ドジャース、カブス以外はプレーオフに進めなかった。戦力が整っていない球団なら、大谷がより投打で力を発揮しやすいといえる。

 大谷に使える契約金の上限はレンジャーズこそ全30球団中トップの353万5千ドル(約3億9900万円)だが、ジャイアンツ、パドレス、カブス、ドジャースはわずか30万ドルとされている。2番、3番目に多かったヤンキース、ツインズが除外されるなど、大谷サイドが移籍先の選定に金銭面を二の次としている構図が改めて浮き彫りになった。