ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す日本ハム大谷翔平投手(23)の移籍交渉が4日(日本時間5日)本格的にスタートした。今季のナ・リーグ西地区で最下位に終わったジャイアンツはバスター・ポージー捕手(30)が同席し、熱意を伝えた。12年のナ・リーグMVPのスーパースターが参加した意味について、大リーグ研究家の福島良一氏に聞いた。

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 ポージーが交渉に同席したことはジャイアンツの熱意の表れです。米国ではオフは家族との時間を大切にする時ですから、選手が公の場に出てくることはまずない。そんな時期にスーパースターが出てくるのは異例です。かつて松井秀喜のヤンキース入団会見にクレメンスが同席し、レンジャーズが左腕ホランドを連れてドラフト直前の西武菊池と面談したことはありますが、本気の契約交渉の席に主力選手が同席したとなると記憶にありません。

 ポージーはジ軍の中では、ヤンキースの元主将ジーターのような存在です。09年のデビュー以来、ジ軍一筋で新人王、MVPに輝き、10年からの5年間で3度世界一に輝いた。若くしてこれほどのキャリアを築いたのは近年ではこの2人くらいです。大谷も感激したのではないでしょうか。

 ポージーであれば選手の目線でチームの設備面、医療面、雰囲気などさまざまな質問について答えられるはず。しかも彼は高校時代に投手兼遊撃手として二刀流でプレーしていたのですから大谷の気持ちもよく分かるでしょう。将来バッテリーを組み、打順は3、4番なんてことが実現したら本当に素晴らしいですね。(大リーグ研究家)