【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)5日(日本時間6日)=四竈衛】ポスティング制度でメジャー移籍を目指す日本ハム大谷翔平投手(23)の移籍交渉が、いよいよ最終段階に突入した。現地報道などによると、この日は同地でマリナーズ、レンジャーズ、カブスと直接交渉を行った。また、前日はジャイアンツ、ドジャースのほか、エンゼルスとも交渉していたことが判明。7球団に絞られた「2次審査」は、パドレスを残すのみとなった。

 大谷と各球団の交渉は、この日も同地郊外で極秘裏に進められていた。大谷サイドの意向もあり、各球団関係者の間では厳しいかん口令が徹底されており、現時点では交渉の詳細が謎に包まれている。マリナーズ、カブスが直接交渉に臨んだことは確認されたものの、出席したメンバーは明かされていない。

 そんな中、レンジャーズの同席者が判明した。MLB公式HPなどによると、共同オーナーのレイ・デービス氏をはじめ、ジョン・ダニエルズGM、ジェフ・バニスター監督、ジョシュ・ボイドGM補佐、ジェイミー・リード・メディカルディレクター、ホセ・バスケス・ストレングスコーチ、さらに日本でスカウティングを続けてきたジョー古河氏、渡部一氏が、大谷との交渉のテーブルに着いた。

 2011年オフにダルビッシュを獲得するなど、日本人選手に対する理解度の高いレ軍は、条件面でも7球団中最高額となる353万ドル(約4億600万円)の支払いが可能とあり、好位置に付けているといわれている。また、この日は医療、トレーニング部門の専門スタッフが同席。「二刀流」としてプレーするうえでの疲労回復プラン、登板間の練習メニューなどに関するレ軍の方針を伝え、意見交換を行ったものとみられる。21年の開幕戦までには開閉式屋根付きの新球場が完成する予定で、最新施設についてもアピールしたようだ。

 また、昨年世界一のカブスは、交渉解禁以前から知将ジョー・マドン監督が独創的なアイデアを披露するといわれていた。「二刀流」については、投手先発時で75打席、代打出場で65打席、外野手先発時で260打席など、細かいシミュレーションを行い、年間400打席も可能と算出。登板間の完全休養、ブルペン練習日などを設定するなど、「正攻法」で口説き落とす作戦を進めていた。

 現時点で、パドレスとの交渉は確認されていないものの、いずれにしても6日(同7日)までに「2次審査」は終了。早ければ今週中にも移籍先が決定することになりそうだ。