ポスティングシステムで日本ハムから米大リーグ、エンゼルス移籍が決まった大谷翔平投手(23)が12日、米国ロサンゼルス発の航空機で帰国。羽田空港から千葉・鎌ケ谷の日本ハム2軍施設へ移動後、さっそく投打二刀流調整で汗を流した。10月中旬に右足首の手術を受けた後、初めて打撃マシン相手に打ち込みも行った。来年2月中旬のキャンプインへ、100%の状態で臨むと、照準を合わせた。

 帰国後も、大谷に休んでいる暇はなかった。立ち襟の黒いコートに身を包み、さっそうと羽田空港に降り立ったのが午前5時半。真っ暗闇の中、慌ただしく車に乗り込み約1時間後、千葉・鎌ケ谷にある日本ハムの2軍施設に着いた頃、ようやく太陽が昇り始めていた。「飛行機で寝ていたので」と長旅の疲れも見せず、快晴の空の下へ。スポーツウエアに変身し、グラウンドを走りだした。ラン系のメニューで体を温めた後は、40~50メートルのキャッチボールで投球動作を確認し、室内練習場で打撃練習。10月中旬に受けた右足首手術の影響でリハビリ中心だったが、術後初めてマシン相手に打ち込み、約2時間半の練習を終えた。

 移籍先選定のため、先月29日に渡米した。米国滞在中も「ジムでやったり、公園でやったり」とトレーニングを継続しており「無理のない範囲でできている」と、回復への手応えを口にした。あっという間に過ぎ去った、異国での2週間。「1日1日、味わったことのない日が続いていたので、早い段階で(移籍先が)決まって、練習に集中できるのは良いこと」。米国での住居探しは「(代理人事務所の)CAAにやってもらうかも」と、バックアップ体制は万全だ。再渡米は未定も「なるべく僕は野球をやって欲しいと言われてるので、活躍できるための準備をしたいと思います」と、野球に集中する。

 この日、エンゼルスの来春のキャンプ日程が明らかになり、目標は定まった。再渡米までは、千葉・鎌ケ谷の日本ハム2軍施設を拠点に練習に励む予定。集合日の2月13日(日本時間14日)に向け「万全の状態で。しっかり動ける状態で。100%でと思っている。ここから毎日練習していきたい」。高機能のエンジンを整えて、フルスロットルで海を渡る。【中島宙恵】