マリナーズに復帰したイチロー外野手(44)が、エンゼルス大谷翔平投手(23)との対決を「必ず実現させたい」と熱望した。同じア・リーグ西地区の両軍の対戦は5月4日(日本時間5日)からレギュラーシーズンで19試合ある。その大谷は、ドジャースとのオープン戦に「7番DH」で出場し、サイ・ヤング賞(最優秀投手賞)3度獲得の左腕カーショーと初対戦。大きなカーブを見逃して三振に終わった。

 思いは熱かった。21歳年下の後輩を、当初は「大谷選手」と言ったイチローが、直接対決の話題となると「翔平」と呼んだ。会見が佳境に入り、再度、大谷について問われた際、リップサービス抜きで真顔で言った。

 「まだ翔平がプレーしているところを実際に見たこともないんです。まず見てみたい。『誰が見ても世界一の才能』とよく聞きますし、僕もそう思います。そんな選手と対戦することは野球の醍醐味(だいごみ)のひとつ。必ず実現させたいと思うし、できれば(自分が)投手で対戦したいと思います」。

 「投手で対戦」はイチロー流のジョークだが、古巣への復帰が決まったことで対決の可能性は一気に膨らんだ。昨季の正左翼手ギャメルの長期離脱が確実視されるなど、外野の全ポジションをこなせるイチローが開幕スタメンに名を連ねる可能性は高い。となると、19試合が予定される今季中のエ軍戦で、大谷との対決も現実味を帯びる。

 「大谷選手がエンゼルスと契約した時にメッセージをくれて、やりとりをしたことがありました。僕とは親子と言ってもいいくらいの年齢差ではありますけど、メンタルとしては、僕が子供で彼が親という感じがします」。これまでメジャーで野茂、松坂、ダルビッシュ、田中ら日本人投手と対決してきた。01年の渡米当時、まだ6歳だった大谷との対決が実現すれば、世代を超え、また新たな伝説が生まれることになる。