【オークランド(米カリフォルニア州)1日(日本時間2日)】エンゼルス大谷翔平投手(23)が、メジャー史に新たな1ページを記した。打者出場した開幕戦に続き、敵地アスレチックス戦に先発登板。6回3安打3失点で初登板初勝利を飾った。

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 国籍は違っても、息ぴったりだった。メジャー初登板でバッテリーを組んだのは、昨年ゴールドグラブ賞を獲得したマルドナド。この日の鍵となった球種のフォークをすべて前で止めてくれた。11度を数えたワンバウンドの球を壁のように止めてもらったから、思い切り腕が振れた。

 普段から仲良しコンビだ。マルドナドは大谷のことを南米系の名前に多い「ホセ(ホルヘ)」と、逆に大谷は日本人のように「まるさん」と呼び合う。プエルトリコ出身のマルドナドは、いつも陽気で典型的なラテン系。3月30日の試合後、クラブハウスで大谷が着替えていると、後ろをそーっと通ったマルドナドが、大谷のお尻を思いっきりたたいた。いい音とともに、「イターッ!」という大谷の叫び声が響いた。周りにいたチームメートは大爆笑。一方でマルドナドはニヤリとしてやったり。全員が笑い、その場が和やかな雰囲気に包まれた。

 鉄壁の守備で救われるだけでなく、マルドナドの行動で大谷がチーム内でなじみやすくなる、そういう存在でもある。「それが僕のスタイルだから」とマルドナド。登板前日には、ベンチで試合観戦中に大谷を後ろからハグする、仲むつまじい姿もあった。バッテリーの絆が、記念すべき初勝利を引き寄せた。【斎藤庸裕】