エンゼルスのマイク・トラウト外野手(26)が、初勝利を挙げた大谷との交流について語った。この日も同点打を含む2安打で、大谷を援護。ともに抱く「世界一の野球選手」になる夢に向かって、まずはワールドチャンピオンになることを誓った。

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 本当に良かった。センターから見ていて、いい投球だった。球速もあったし、後ろで守っていて楽しかった。チームも勝ったし、翔平はきっとうれしいだろう。僕も、彼の勝ちがうれしい。

 翔平の獲得に成功したと聞いたのは確か、僕の結婚式前日のリハーサル後、ディナーの時だった。エプラーGMから連絡をもらって、クリスマスを迎える子供のように、とてもうれしかった。

 一緒に並んで打撃練習をした時、僕より飛ばしていて、あのパワーには本当に驚いた。信じられないくらい力強い。100マイル以上投げられる投球も素晴らしい。もし対戦できたら、おもしろい対決になるだろう。日本から来た投手の中でもNO・1の投手の1人だから。でも、かなり手ごわいだろうから、チームメートで良かった。

 練習の前とか合間とか、クラブハウスで話す機会は自然と多くなった。彼は英語をよく理解している。言葉にはまだしたくないようだけど、それでもチームメートを楽しませているし、ポジティブで親しみやすい雰囲気もある。ここでは僕たちは家族なんだ。翔平も家族の一員だ。

 オープン戦で結果が出ずに苦しんでいたけど、それは問題ないこと。僕も初めてマイナーからメジャーに上がった年(11年)は打率2割2分だった。だから翔平の気持ちはよく分かる。でもそれは経験だ。相手を知ることが大事。僕もマイナーからメジャーに呼ばれて、少し違った環境で、何をすべきか、どんなボールを投げるのか、分からなかった。日本からメジャーに来た翔平の場合、僕以上に大変だと思う。

 そんな時、チームメートが助けてくれることも多かった。だから、僕らが翔平を手助けしながら、良きチームメートとしてやっていきたい。翔平にとっていろいろなことが挑戦になると思うけど、やっていけると思う。やれる素質もあるし、楽しみな1年になる。それを証明してくれた。

 翔平は世界一の選手になりたいと言っているそうだね。僕も同じ。可能な限りうまくなって、100%全力でプレーする、そういう選手になりたい。僕も1番の選手を目指している。ワールドシリーズで勝ちたい。世界一になりたい。シンプルだ。勝つためにプレーしている。今年、翔平と一緒にそれを達成できたら、すごく幸せだ。

 ◆マイク・トラウト 1991年8月7日、米ニュージャージー州バインランド生まれ。09年ドラフト1巡目(全体25位)でエンゼルスから指名。11年7月に19歳11カ月でメジャーデビュー。14年、16年にア・リーグMVPを獲得した。世界NO・1との呼び声も高いスラッガー。トラウトは日本語で魚の「マス」を意味する。天気予報を毎日チェックする気象オタクでもあり、好物のチキンウイングは30分で50個たいらげるという。188センチ、106キロ。右投げ右打ち。