エンゼルス大谷翔平投手(23)が、インディアンス戦に「8番指名打者(DH)」で出場し、本拠地初打席でメジャー1号を放った。メジャーでも二刀流で躍進する大谷に、メジャー評論家の福島良一氏がエールを送った。

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 オープン戦から単打ばかりだったので本塁打とは驚きです。03年にヤンキース松井秀喜が放った、ホーム開幕戦での初打席本塁打をほうふつとさせました。37年にウエス・ファレル(Rソックス)が開幕6試合で勝利を挙げて本塁打を含む4安打を放っています。ファレルは31年に22勝&9本塁打でしたが、あくまで強打の投手。大谷は二刀流なので、まさにベーブ・ルースの再来です。

 相手のトムリンは、昨年の三振と四球の比率(K/BB)は7・79で先発投手としてはア・リーグ最高でした。松井が本塁打を打ったツインズのメイズと似た、技巧派タイプ。慣れている日本的な投手ではありましたが、中地区優勝候補筆頭インディアンスのローテーション投手から打ったことで、さらに全米から注目されるでしょう。

 大リーグで打者は、アマチュアでいくら成績を残していても、経験が重視されます。65年のドラフト制後の入団で、いきなりメジャーでプレーした野手は元ロッテのインカビリアら20人ほど。生涯マイナー経験がなかったのはウィンフィールド、オルルド、ホーナーの3人しかいません。大谷に「マイナーで500打席の経験が必要」といった米報道がありましたが、打率1割2分5厘というオープン戦の成績からすると懐疑的な見方は当然でした。

 エンゼルスは4月末までに29試合の予定です。ルースが二刀流全盛だった18年(13勝&11本)19年(9勝29本)は、偶然にも4月末までに同じ29試合。両年は4勝3発だったので、大谷にも直近の目安となります。(大リーグ研究家)