大谷、2番でもフルスイング-。エンゼルス大谷翔平投手(23)が、アストロズ戦に「2番DH」でフル出場し、4打数1安打、4試合連続安打とした。2番での先発はメジャー初。第2打席では、ファウルチップが直撃した球審が負傷退場。ア軍ゲリット・コール投手(27)との真っ向勝負が予期せぬアクシデントとなった一幕もあった。

 打順が初の「2番」でも、大谷のスタンスは変わらなかった。3回裏の第2打席、1ボール2ストライクからの6球目。リーグ奪三振王のア軍コールが投じた時速99・4マイル(約160キロ)の速球に、フルスイングで応酬した。タイミングは合った。だが、わずかにバットをかすめた。「(捕手のサインに)首も結構振ってましたし、何を投げたいのかというのを、こっちは考えるんですけど、真っすぐが多かったので、何とか食らいついていけるように、総合的に対応できるように待ってました」。

 投手として最速165キロを投げる大谷が、打者としてはメジャー最速を体感した1球。「あらためて打席の中ですばらしい投手だと感じました」。図らずも、ファウルチップした打球がカルブレス球審の首周辺を直撃し、負傷退場。エ軍広報によると、「明日の状態次第」と大事にはいたらなかったものの、直後は同球審の足元がふらつくほど、衝撃が残る力勝負だった。

 新打順は、球場入り後、耳にした。「なじみのない打順。つなぐことが大事かなと思います」。試合後こそ、サラリと話したものの、強打者が居並ぶメジャーの2番に、持ち味を封じるような打撃は求められていない。「打順に合った打ち方も必要だとは思いますが、変わらずに自分のスイングをした結果、そうなればいいと思います」。実際、第3打席には、一、二塁間に3人の内野手が並ぶシフトのわずかなスキをライナーで抜く右前打。惑うことなく、スタイルを変えず、4試合連続安打、スタメンに限れば5試合連続安打をマークした。

 逆転負けを喫したこともあり、試合後は淡々とした口調で振り返った。16日は11年サイ・ヤング賞の剛腕バーランダーとの初対戦が待ち受ける。「楽しみですね。何より、勝てるように」。打順や相手に惑うことなく、純粋に勝負する。投打を問わず、最高レベルの対戦を体感できることこそ、大谷がメジャーに求めてきたものに違いない。【四竈衛】