エンゼルス大谷翔平投手(24)が、シーズン10個目の盗塁を決めた。4番指名打者(DH)で出場したアスレチックス戦の2回1死一、二塁、二塁走者として三盗に成功。シーズン20本、10盗塁以上は12年のトラウト以来、エンゼルスのルーキーでは3人目。また、メジャー史上初となる20本塁打、10盗塁、10登板以上を達成した。

スタートの切り方を改善し、大谷の盗塁は一気に増えた。10盗塁のうち8個が8月、9月で決めたもの。イブル三塁コーチによれば、2個目の盗塁を決めた7月6日ごろまでは、1歩目のスタートを切った時に体が一瞬、浮いていたという。ビデオ映像で確認し、第1リードの中腰の状態から、低い体勢を保てるよう練習を続けた。今は「しっかりできているし、素晴らしい」と同コーチも舌を巻く。

スタート時のスムーズなクロスステップが、大谷の特長でもある。同コーチは「左足の蹴りが強く、また速い。反対の右足がほぼ動かず、スタートを切れる」と分析する。ほとんどの選手はスタート時、左足をクロスすると同時に右足が走る方向とは逆方向に後退し、タイムロスが生まれるという。チームトップ24盗塁のトラウトでさえ右足が動き、「トラウトも分かっているが、できていない。練習している」というほど難しい。

通算1406盗塁のレジェンド、リッキー・ヘンダーソン氏も盗塁で最も大事なのは「スタートだ」と言う。メジャー1年目で2ケタ10盗塁に到達。走でも大谷が技術の高さを証明した。(MLB担当=斎藤庸裕)