エンゼルス大谷翔平投手(24)が、来年6月以降の打者復帰を目指す見通しであることが5日(日本時間6日)分かった。最終戦翌日の1日(同2日)にロサンゼルス市内の病院で右肘内側側副靱帯(じんたい)の再建手術(トミー・ジョン手術)を受けた。打者は一般的には6カ月程度で復帰できるとされるが、投打「二刀流」の大谷は実戦復帰まで8カ月程度かけて万全を期す方向となった。

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大谷は焦らず急がす、リハビリを進めていく。日米の球界関係者の話を総合すると、打者に専念する来季の復帰時期は6月以降となる見通しだ。術後、一般的には打者は6カ月程度での復帰が可能とされ、来年3月28日の開幕戦前後に復帰できるかもしれないという見方もある。だが、大谷が描いているのは投打二刀流での完全復活。そのため、打者復帰までには通常より長い8カ月程度のリハビリ期間は必要となるようだ。

大谷が手術を受けた1日、リハビリのプランについて、エ軍のエプラーGMは「長いプロセスにおいて段階がある。その時間軸については話すことはできない」と話した。投手、野手ともにトミー・ジョン手術から復帰した例は多くあるが、大谷のような本格的な二刀流選手のリハビリは初めて。過去の例から復帰の時期を推測することは容易ではない。来春のキャンプの話を向けられても「今それを判断するのは難しい」と慎重に言葉を選んだ。

手術が公表された9月25日、大谷は医師から伝えられた復帰時期について「ある程度のもの(メド)というのはあると思いますけど(手術後)4週間おきに確かめながらになってくる」と話している。ある程度の期間が経過して打撃練習が可能になったとしても、右肘に負担がかからないよう細心の注意を払っていく必要がある。

いずれにしても術後約6カ月後となる来季の開幕戦には間に合わない可能性が高い。大谷は手術を受ける決断について「時期的なものも含めてプラスというか、ベストな選択」と話している。レギュラーシーズン終了翌日の手術は早期復帰を目指す意欲の表れでもある。だが、目指すのは20年シーズン以降の二刀流の復活。そのため、1歩1歩ステップアップを踏む。

◆今季の大谷の歩み

2月14日 マイナー契約の招待選手としてキャンプイン

3月27日 メジャー昇格が決定

  29日 開幕戦でフル出場し、メジャー初安打

4月 1日 メジャー初登板勝利

  3日 メジャー初本塁打

  6日 3試合連続本塁打

  9日 日本選手最年少で週間MVPに選出

5月 2日 月間最優秀選手に選出

6月 8日 右肘靱帯の損傷で故障者リスト入り

7月 3日 打者でメジャー復帰

9月 2日 投手でメジャー復帰

  5日 肘に新たな損傷判明、手術勧告

  7日 19号本塁打で1年目の日本人選手の最多記録更新

  15日 松井秀喜以来2人目のシーズン20号

  25日 肘手術を発表

  30日 今季終了

10月1日 ロサンゼルス市内で肘手術を受け成功