ロイヤルズと契約した直後の3月12日、マルドナドは相変わらず陽気だった。「ホルヘ(翔平)はどうしている? 元気か?」。人懐っこい笑顔で尋ねた。エンゼルス大谷翔平と相性抜群だった元女房役は昨年7月、エンゼルスからアストロズへ移籍。今年も同じア・リーグに所属し、対戦機会がある。「打ち取り方は分かっている。ノーヒットだね」と勝利宣言だ。

大谷の打者復帰後、本拠地エンゼルスタジアムでの最初の試合は17日ロイヤルズ戦となる。打者大谷対捕手マルドナド。バッターボックスで、駆け引きが始まる。マルドナドは「楽しみだね。復帰するのはうれしいし、みんな楽しみにしている」と心待ちにした。

敵同士とはいえ、思い入れは深い。「打者と投手、両方できる選手とプレーできたのは、貴重な時間だった」と懐かしむ。ロイヤルズとの契約が決まった際、大谷からすぐに祝福の連絡をもらったという。

元女房役だけに、投手大谷の復帰も待ち遠しい。投手対打者では来季以降の対戦となるが「またバントするよ。ハッハッハ」と笑い飛ばした。昨年9月2日、アストロズ戦に登板した大谷と初対戦。初球でバントの構えを見せ、大谷も苦笑いだった。「翔平に会ったら言っておいてくれ。『ゲンキデスカー』って」。元気になった大谷との対戦を心待ちにする。【斎藤庸裕】

◆マーティン・マルドナド 1986年8月16日、プエルトリコ生まれ。04年エンゼルス入団。11年ブルワーズでメジャーデビューし、斎藤隆、青木宣親らと同僚だった。17年にエンゼルスに移籍し、ゴールドグラブ賞獲得。メジャー通算640試合で打率2割1分8厘、52本塁打、196打点。183センチ、104キロ。右投げ右打ち。