エンゼルス大谷翔平投手(25)の活躍する姿を見て、メジャーリーグに興味を持つようになった子どもも増えてきました。家庭で一緒にテレビ観戦をするのは、野球を通して英語に慣れ親しむ絶好の機会でもあります。今回は、テレビの副音声で現地の英語実況を聞く際に、覚えておくと便利な英語のフレーズをまとめてみました。

大谷が本塁打を打った時、米国の実況アナウンサーが何と叫ぶかご存じですか?

「ビッグフライ・オータニサーン!」

というのが決まり文句になっています。日本のプロ野球中継で、実況アナが「入った! ホームラーン!」のように叫ぶことがありますよね。あれと同じです。エンゼルスの試合は米テレビ局「FOXスポーツ・ウエスト」が放送しており、アナウンサーがこの個性的なセリフで実況をしています。大リーグには30球団があり、それぞれの球団が地元テレビ局で試合の中継をしているため、本塁打の実況もチームによってさまざまです。

日本ではNHKBS1やJスポーツなどで大リーグの試合を放送しており、副音声では現地の英語実況が聞けるようになっています。野球の英語実況を聞くことで、楽しみながら英語のリスニング力を磨くことができるので、休日は午前中からお子さんと一緒に英語実況で中継を見てみてはいかがでしょう。実況を聞くときに覚えておくと便利な英語をピックアップします。

◆キロはマイル、メートルはフィート

球速を表す単位は日本では「キロ」ですが、米国では「マイル」。1マイルは約1・609キロです。メジャーには球の速い投手が日本と比べてはるかに多いですが、みんなが驚くくらいに「すごく速い」とされるのは、だいたい100マイル(約161キロ)が目安になります。また、本塁打の飛距離を表す単位は日本では「メートル」ですが、米国では「フィート」。1フィートは約0・3048メートルになります。2015年以降、メジャーで最も遠くに飛んだ本塁打は505フィート(約154メートル)でした。

◆日本と変わらない野球の言葉

日本と米国では、野球用語がまったく同じものも数多くあります。「ストライク」「ボール」も同じですし、「タイムリー」「ホームラン」「バント」「エラー」なども、英語と日本語で違いがありません。一塁、二塁、三塁のことは、日本でファースト、セカンド、サードとも言うためアメリカとほぼ同じ。ただしアメリカでは「ファーストベース」「セカンドベース」「サードベース」と必ず「ベース」を付けて言います。一塁手は「ファーストベースマン」のように必ず「マン」が入ります。

◆日本語と英語でまったく違う言葉

外来語風の野球用語なのに、実は米国で使われている用語とはまったく違うものも、数多くあります。例えば英語で四球のことを「フォアボール」とは言いません。「ウオーク(歩くという意)」が一般的で、「ベース・オン・ボール」「ボールフォー」と言う場合もあります。

ところで冒頭の「ビッグフライ・オータニサーン!」のビッグフライは、ホームランと同じ意味です。日本ではフライというとフライアウトのイメージが強いかもしれませんが、英語の場合は高く遠くへ上がった飛球を「フライ」と表現するため、フェンスを越えた飛球はビッグフライというわけです。本塁打には他にも「ディンガー(Dinger)」という言い方もあります。観戦中に本塁打が出た時、実況アナがどんな言葉を使っているか、注意して聞いてみてください。【水次祥子、山下翔悟】

【メジャーのホームラン実況あれこれ】

OUTTA HERE!(オゥタ ヒア)

Outtaは「out of」のくだけた言い方です。打球がフィールドから出ていったという意味になります

SEE YA!(シー ヤッ)

これも「See you(またね)」のくだけた言い方。飛んでいく打球にお別れの言葉をかけています

SHE IS GONE!(シー イズ ゴーン)

振り向きもせずあっという間に去ってしまった彼女のように打球が行ってしまったということ

BIG FLY!(ビッグ フライ)

エンゼルスのロハス実況アナの名セリフ。「ビッグフライ」の後に打った選手の名前がきます

IT'S GONE!(イッツ ゴーン)

「(打球がフェンスの向こうに)行った」の意味。ただ「Gone!」のみを叫ぶ実況アナもいます