【オークランド(米カリフォルニア州)25日(日本時間26日)=斎藤庸裕】偶然の一致はどこまで続くのか。26日(同27日)、693日ぶりとなるエンゼルス大谷翔平投手(26)のメジャー復帰マウンドは、デビュー戦と同じ舞台となる。

開幕戦で打者出場を経て、登板へ臨む流れ、初打席初安打、5打数1安打の結果も同じ。偶然が重なった状況で、復帰登板も同じように吉と出るか。18年4月1日の初登板を振り返った。

   ◇   ◇   ◇

野球の神様のイタズラなのだろうか。大谷の周りで、偶然が続いた。メジャー復帰登板は、2年前にデビューを飾ったアスレチックスの本拠地オークランド。1年目は開幕4戦目で、今回の復帰マウンドは3戦目と異なるが、日曜日の登板は同じ。打者で出場した開幕戦、ともに初打席初安打で5打数1安打、チームのサヨナラ負けという結果も同じだった。オープン戦の打率さえも、1割2分5厘でぴったり一致している。

まるでデジャブのような偶然。大谷自身は2年前と比べ「ちょっと違うかなと。デビュー前はどのくらいできるのかというところにフォーカスしてましたけど、今はどれくらい自分の持っているものを取り返せているか、というところ」と感覚の違いを表現した。実際に、18年4月1日のデビュー戦は投手大谷の実力を存分に示した登板だった。

先頭打者への初球は、真ん中への155キロの直球だった。切れ味の鋭いスライダーを2球続け、カウント1-2から外角低め142キロのスプリットで空振り三振を奪った。初回、3番打者に対し渡米後最速の99・6マイル(約160キロ)もマークした。2回に連打を浴び、チャプマンに本塁打を浴びた以外は、ア軍の打者を圧倒。6回3失点6三振で初登板初勝利を飾った。

登板後はすがすがしい表情でこう語った。「すごく楽しめたと思います。緊張感を上回ったかな」。693日ぶりとなるメジャー復帰戦の前日は「緊張はすると思うので、その中でも楽しめたら」と言った。ウイニングボールを手に笑顔を見せた2年前。同様の光景は広がるのか。いずれにしても、メジャーで二刀流の物語が、再び幕を開ける。