カブスのダルビッシュ有投手(34)が9日(日本時間10日)、レッズ戦に先発し、6回2安打3失点9奪三振と奮投したものの、今季2敗目を喫し、連勝は7でストップした。今季メジャー最長となる8試合連続クオリティースタート(6回以上、自責3)をマークしながら、打線がレ軍先発の盟友トレーバー・バウアー投手(29)の前に沈黙。防御率はリーグ3位の1・77となり、サイ・ヤング賞争いは、最後までもつれそうな気配になってきた。

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メジャーを代表する2人の今季2度目となる投げ合いは、地元メディアやファンも注目していた。その試合開始数時間前、バウアーがツイッターを通してダルビッシュに言葉を投げかけた。「友よ。君のYou Tubeのフォロワーを少し分けてくれないか」。バウワーのチャンネル登録者6万9000人に対し、ダルビッシュは51万1000人。これに対し、ダルビッシュは英語で「今度、自分のチャンネルで君のことについて話すよ」と、一肌脱ぐことを約束した。対決する当日の2人のやりとりは、中継したテレビ局でもユニークな話題として紹介されるほどだった。

同じ代理人ジョエル・ウルフ氏を持つ2人は、いつしか互いに意識し合う関係になった。バウアーが多彩な球種を操るダルビッシュを映像で研究し、ダルビッシュはバウアーのトレーニング方法を試すなど、刺激し合う存在となった。ともに、SNS上でファンとの間でも活発に意見を交わすなど、周囲の批判を覚悟で球界発展のために、技術や心の内を明かしてきた。「投球スタイルとか、日頃やっていることも似通っているし、すごく近いものを感じます。すごく助けてくれてるし、リスペクトしています。同志というより、同じタイプの人間だと思います」(ダルビッシュ)。

今季の2人の直接対決は1勝1敗で終わった。ダルビッシュが勝利数(7)、奪三振(72)で2冠をキープする一方、今季4勝目(3敗)ながらリーグ2位の防御率1・74、同2位の71奪三振のバウアーとは、デグロム(メッツ)を含め、最終登板までサイ・ヤング賞を争うことになる。「連勝が止まったので逆に切り替えて、また新たな気持ちでやりたいです」。負けてもなお、高く評価される存在。ダルビッシュのメジャーでの立ち位置は、間違いなく、昨季までとは違う。【四竈衛】