ア・リーグ地区シリーズ(5試合制)の「レイズ-ヤンキース」は、8日(日本時間9日)第4戦でヤンキースがレイズに競り勝ち、対戦成績を2勝2敗とし、第5戦の最終決戦までもつれ込んだ。

初戦を4本塁打で圧倒したヤンキースに対し、試合巧者のレイズは多彩な用兵と大胆な継投で第2、第3戦を制した。これに対し、ヤンキースは第4戦を隙のない好継投でものにし、勝負を土俵の中央まで引き戻した。ヤンキースのブーン監督は「勝つか、家に帰るかの状況で、全員がよくやってくれた」と、チーム一丸の勝利に満足そうな表情を浮かべた。

雌雄を決する第5戦は9日(同10日午前8時10分開始予定)。ヤンキースは第1戦で登板し、自身初の中3日となる剛腕コールが先発。一方のレイズは、第2戦で好投した快速右腕グラスノーがメジャーでは極めて珍しい中2日で登板することを発表した。

両先発とも、登板間隔が短いため、長いイニングを投げることは計算しづらいため、勝敗のポイントは継投となる可能性が高い。1973年のレンジャーズ以来となる年間12投手がセーブを記録したレイズは、質・量とも救援陣は豊富で、登板順に一定の法則がないほど、柔軟性に富む。一方のヤンキースは、第4戦で好投したグリーン、ブリトン、チャプマンの方程式が基本。ブーン監督が「明日は全員が登板可能であってほしい」と総力戦を覚悟しており、先発陣の一角でもあるガルシアの起用法を含め、継投のタイミングが重要となる。

両軍とも本塁打での得点が目立つ一方、守備力、バッテリーミスなど、投手力を含めた総合的なディフェンス力が勝負を分けることになりそうだ。