MLBが、ボールを滑りにくくするための不正物質の使用を減らすため、不正の疑いがある投手のボールの回転率を注視していくと各球団に通達した。24日、米紙ニューヨーク・ポスト電子版など複数の米メディアが報じた。

不正物質の使用は、多くの投手が使用していることから暗黙の了解として球界全体に浸透している。球団は自軍の投手も指摘される恐れがあるため相手チームの不正を指摘せず、打者もボールが抜けて死球になる懸念があるため黙認しているのが現状だ。

しかし、ここ数年で三振や四球、本塁打が増加したことで“選手の動き”が減ったことから、MLBが取り締まりを厳しくしたと同紙は分析している。

近年は球速の上昇や変化球の割合が増えたことで三振が増加。そして打線のつながりよりも本塁打を打つことが重視され、結果的に本塁打、三振、四球の割合が上昇。そのため走塁や守備などグラウンド上での“動き”が減少したため、この傾向を抑えることがMLBの目的だと伝えている。

ESPNによれば、ボールの回転数はMLBのデータ解析システム「スタットキャスト」を使って計測され、ある投手の回転数が通常よりも著しく上昇した場合、MLBが調査を行う可能性があるという。また、試合日にはベンチやブルペンなどに監視員が配置され、不正が行われていないかチェックをする。