【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)29日(日本時間30日)=斎藤庸裕】投打二刀流での開幕は変わらない。エンゼルス大谷翔平投手(26)がドジャースとのオープン戦に先発し、2回1/3で4安打7失点5四球。前回登板からできていた右手中指のマメがはがれ、3回途中63球で降板した。

次回は中5日で開幕4戦目の4月4日(同5日)ホワイトソックス戦に登板予定だが、マドン監督は「影響はない」と判断。30日(同31日)のオープン戦最終戦は打者で出場する。

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大谷が立ち上がりから苦しんだ。制球を乱し、2回までで4失点。3回に1死から四球を与えると、右手の先を気にするしぐさを見せた。安打で一、二塁。スミスにカーブを右翼スタンドへ運ばれた。その後、マドン監督とトレーナーがマウンドに集まり、話し込んでマウンドを降りた。

降板理由は右手中指のマメだった。大谷は「今日できたものではないので。前回できて、(この日まで)中7日で投げ続けてはいた。また5日間しっかり投げられれば、ある程度強化されるような状態にはいく」と状況を淡々と話した。開幕4戦目のホワイトソックス戦で今季初登板を控えるが「大丈夫かなと思います」と見通しを示した。

前向きなのは、想定の範囲内だったから。メジャー自己最速の101・9マイル(約164キロ)をマークした21日(同22日)パドレス戦でマメができた。「おそらくむけるのかなと思ってましたし、みんなそういう感じで見ていたとは思う」。万全ではない状態での“強行登板”だったが「それよりは開幕カードに向けて球数を投げるというところの方が大事。そういう判断での登板だった」という。

過去にも同様の例がある。メジャー1年目の18年4月17日(同18日)、レッドソックス戦も右手中指のマメで降板したが、予定通り中6日で登板した。今回は中5日も「残っている皮がさらにむけないように整えることと、あとはしっかり投げることですね。投げる中で強くなっていくので」。予定の3回をクリアできなかったが、63球は投げられた。「開幕戦でむけるよりは、今日むけてしまった方が良かった」とポジティブに捉えた。

投打で開幕のプランに変わりはない。マドン監督も「影響はない。彼は大丈夫だろう」と軽症を強調。オープン戦最終登板で結果は出なかったが、打撃絶好調の今キャンプを振り返った大谷は「いい感じでシーズンにつなげることもできるんじゃないかなと思います。開幕して1戦目から活躍できるように頑張りたい」と力を込めた。登板翌日の30日の最終戦は打者で出場予定。準備を整え、二刀流で開幕に向かう。

○…DHを解除し、「2番投手」で出場した打者では、1打数無安打だった。1回1死、左腕ウリアスの外角直球に見逃し三振。第2打席を迎える前に投手で降板したため、交代となった。オープン戦の連続安打は11試合でストップしたが、打率は5割5分2厘。「キャンプで良かった試しは今までないので。必ずシーズン中も(好不調の)波があるものだと思ってますけど、いい状態にすぐ戻れるような準備ができればいいかなと思います」と話した。