【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)4日(日本時間5日)=久保賢吾、斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、今季8号ソロを放ち、沖縄生まれのデーブ・ロバーツ監督(51)を超える日本生まれの選手の球団最多本塁打記録を刻んだ。2点リードの3回無死、ブレーブス・エルダーから自身6試合ぶりのアーチ。メモリアルな1発を祝福するように、3安打2打点の活躍で3連勝に貢献した。試合後の会見にはロバーツ監督が大谷から贈られた“車”を手にサプライズで乱入し、爆笑を誘った。

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会見の場が一瞬で“劇場”へと変わった。大谷の目に「Excuse me」と2度繰り返し、報道陣の輪の中に乱入するロバーツ監督の姿が飛び込んだ。「Congratulations!」。手には、プレゼントしたというポルシェのミニカー。大谷は隣で「これは私の車です」と披露する指揮官を見つめながら笑みを浮かべた。

大谷が背番号を譲ってもらったジョー・ケリー投手にポルシェを贈ったことを引き合いに出し、「違いを言いましょう。ジョーの車は私の監督室には入りません。でも、この車は私の机に置くのにぴったりです」。抜群の“つかみ”から“オチ”へと展開した指揮官の“ネタ”に、声を上げながら笑った。

バットでも、プレゼントでも、周囲を笑顔にさせたのは大谷だった。2点リードの3回無死、1ストライクからブレーブス・エルダーの内角高めの速球を強振。「入らないかなというのが第一印象だった」と少し詰まり、打った直後は一瞬表情をゆがめたが、打球は右中間席へと飛び込んだ。

ダイヤモンドを回る大谷だけでなく、ベンチのロバーツ監督にも笑みがこぼれた。指揮官とタイ記録だった日本出身の選手の球団最多本塁打記録を更新する今季8号。「スッキリしました」と明かしながら、ベンチでは両手を上げて迎えた指揮官と笑顔でタッチ。ナインに祝福された後、再度ハイタッチで思いを共有した。

試合後、米メディアからのミニカーの質問に笑顔で返した。「車を欲しいって言ってたので、喜んでもらって良かったです」とニヤリ。さらには「そのようなジョークは好きか?」と聞かれ「そうですね。笑ってもらうのが一番なので、また何かあればやりたいなと思います」と話した。

ロバーツ監督が囲み取材の場から引き揚げた後、「本物の車は買うんですか」と問われると、4秒ほど間を置いて、こう返答した。「ワールドシリーズで勝てたら考えます」。指揮官の前振りから始まった車の話題を、大谷らしい答えで締めた。

【動画】大谷翔平の会見にロバーツ監督が乱入 大谷から贈られたおもちゃのポルシェを披露