パドレスのダルビッシュ有投手(34)が、7回1安打1失点3四死球9奪三振の快投を演じながら、打線の援護がなく、0-1とリードされて降板。今季初黒星(1勝)を喫した。

4月中旬とはいえ、ポストシーズン並みに緊迫した空気の中、試合は息詰まる投手戦となった。ダルビッシュは、5回表2死までパーフェクト投球と、快調にアウトを重ねた。ところが、死球で初の走者を許した後、初安打、四球で満塁。投手カーショーに粘られた末、押し出しの四球を与え、1点を先制された。それでも、引きずることなく、6、7回を3者凡退に仕留めた。延長12回までもつれた前夜は、救援9投手(野手1人を含む)がフル稼働。7回を投げ切り、救援陣の負担を軽減した投球は、エースならではだった。試合後は「世界一の打線。あの打線相手に、あれだけの投球ができた。負けたのは悔しいですけど、自分の中では自信になります」と、淡々と振り返った。

古巣とはいえ、昨季世界一のドジャースは現在、地区8連覇中で、06年以来15年ぶりの地区制覇を目指すパドレスにとっては、まさに最強の宿敵。今回の3連戦は、両軍とも先発3本柱をぶつけ合うこともあり、米国内では「ヘビー級タイトルマッチ」として注目されていた。

しかも、ダルビッシュにとっては、サイ・ヤング賞3回の絶対エース、左腕カーショーとの初の投げ合い。ともにテキサス州ダラス近郊に自宅があることもあり、オフ期間には一緒にキャッチボールや自主トレを行う間柄とあって、ダルビッシュ自身もこの日の登板を心待ちにしていた。

結果的には、勝てなかった。だが、打者25人に対し、詰まった当たりの安打1本のみ。次回登板予定の22日(同23日午前11時10分開始予定)は、敵地でドジャースとの再対決が待ち受ける。「自信にはなりますけど、調子に乗らないようにしたい。次は抑えられるように、しっかり頭を使っていきたいです」。負けても絶賛される投球内容が、ダルビッシュのレベルの高さを物語っていた。