パドレスのダルビッシュ有投手(34)が、5回1/3を4安打2失点1四球5奪三振と力投し、今季6勝目(1敗)。

日米通算170勝に到達し、松坂大輔(現西武)、岩隈久志(元マリナーズ)に並んだ。試合後は、「追い付くのは分かってました。2人とも若い時から目標にしていた、勝たなきゃいけない巨大な壁という感じだった。同じ勝利の数を味わって、勝利の後の夜も同じだけ味わってきたという意味では、すごく感慨深いものがあります」と、素直な思いを口にした。

区切りの170勝目も、安定感抜群の投球でものにした。6回1死から2ランを浴び、死球を与えた直後に交代したが、本拠地ファンからは総立ちの拍手で出迎えられた。5回2死から初安打を許すまでは、1四球のみとほぼ完璧な内容だった。しかも、打席では2打数2安打と、メジャー2回目のマルチ安打をマークし、試合の流れを引き寄せた。2安打後、走塁したことで、終盤、腰に軽い張りを感じたこともあり、90球でマウンドを譲った。「打てないより打てた方がチームの力になる。ただ、DHは欲しいです」と軽妙な口調で切り返した一方、体調については「次は大丈夫だと思います」と話した。

パドレスは、前日まで移動日なしのロード10連戦を含む20連戦の真っただ中。しかも、今季初の4連敗中でもあり、エースとしては踏ん張りどころだった。ダルビッシュ個人は今季6勝目だが、先発12試合でチームは11勝1敗。「投手に勝ちが付くのは、チームが勝っているので、いい目安にはなるのかなと思います。僕が投げる日は、僕の結果とチームの打撃が今のところはかみ合っているということですね」。首位ジャイアンツ、昨季世界一のドジャースと3強の間でハイレベルに争いが続くだけに、高勝率を維持するダルビッシュへの期待は、さらに高まっていきそうだ。

○…投げるだけでなく、ダルビッシュは2打数2安打と、メジャー2回目のマルチ安打をマークした。第1打席に三遊間を破り、第2打席はバスターで右翼線へ二塁打を運んだ。「打てないより打てた方がチームの力になる。ただ、DHは欲しいです」と軽妙な口調で切り返した一方、走塁で腰に軽い張りを訴えたことについて「次は大丈夫だと思います」と話した。

▼ダルビッシュが日米通算170勝目(日本93勝、米国77勝)。大リーグでプレーした日本人投手の日米通算170勝以上は7人目となり、松坂、岩隈に並んだ(日本173勝、米国0勝の桑田は除く)。ダルビッシュのマルチ安打はカブス時代の19年6月21日メッツ戦以来2度目。前回は勝利投手になっておらず、マルチ安打と白星を同時にマークした日本人投手は野茂(10度)吉井(1度)大家(2度)前田(1度)大谷(1度)に次いで6人目。