エンゼルス大谷翔平投手(26)が、左腕からメジャーでは初となる2試合連続の19号アーチを放った。16日(日本時間17日)の敵地アスレチックス戦に「2番DH」で出場し、第2打席で左腕アービンから右越えのソロ本塁打。6月の本塁打は全て左腕から。ポジティブな“慣れ”が、好結果を生んでいる。バント安打を含む4打数2安打1打点で二盗も成功。19年以来2年ぶりの2ケタ10盗塁に到達した大谷は17日(同18日午前10時38分)、今季初めて観客動員100%で行う本拠地最初の試合となるタイガース戦で、先発マウンドに上がる。

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慣れにも、良しあしがある。今季19本塁打のうち左腕から8本。苦手意識はないが、対左で6本だった過去3年に比べ、違いは歴然だ。大谷は「独特の球というか身長の高い投手も多いですし、そういうところで慣れが必要な部分は多少あったのかなと。数をこなしていくうちに、右(投手)もそうですけど、慣れの部分は大きいのかなと思います」と、プラスに捉えた。

経験を重ねて順応し、結果につなげる。だが、過去にはマイナス面もあった。打者に専念した2年目の19年シーズン後、「慣れはありますね」と振り返り、「いい意味でも悪い意味でも」と付け加えた。慣れの捉え方でも、“対相手”と“対自分”では違う。「調子が悪い、打てない時期、というのに対しても慣れちゃうし、出続けると余計なことをしたりというのが多くなって、いらないことにも慣れてしまう」。好不調の波を繰り返した2年前。打撃に手を加え過ぎ、その感覚が普通となり、悪循環を招くこともあった。

何事も偏らない大谷の二刀流マインド。慣れ1つにしても、良い悪いの両面がある。これまで左投手116人と対戦し、のべ1458球を見てきた。対相手へのポジティブな慣れが好結果につながり、メジャーで初めて2試合連続で左腕から1発を放った。「打撃の状態はまあまあいいかなと思いますね。ただ昨日の試合に関しては、最後(の本塁打)よりはチャンスで打ちたかった」。リーグトップ22号のゲレロ(ブルージェイズ)とは3本差に縮める1発を放ちながらも、本塁打だけにフォーカスせず、反省も忘れない姿が、大谷らしかった。【斎藤庸裕】

▼大谷が2回に19号本塁打を放ち、左投手からは今季8本目。左腕から8本塁打は、日本ハム時代の16年の7本を上回る自己最多となった。ちなみに、メジャーの日本人選手で左投手から8本塁打以上は、11年松井(ヤンキース)以来2人、5度目。松井の最多は09年の13本。

▼5回には今季10個目の盗塁。シーズン10盗塁は19年以来3度目。2桁本塁打&2桁盗塁も3度目で、3度記録したのはイチロー(マリナーズ)に次いで2人目。