日本人で初めてメジャーのホームランダービーに出場したエンゼルス大谷翔平投手(27)が、激戦の末、ナショナルズのホアン・ソト外野手(22)に敗れ、1回戦で敗れた。

正規の対決では、計4分間(ボーナスタイムを含む)でともに22本を放ち、1分間のタイブレークへ突入。ここでも互いに6本を加え、最後は3スイングの再延長へもつれ込んだ。ナ・リーグの本拠地ながら、ほとんどの声援が大谷びいきで、後押しも受けた。だが、全3スイングで柵越えを放ったソトに対し、大谷は初スイングでゴロ。「もう、僕はいっぱいいっぱいでした。なかなか打てないだろうとは思ってました」。決着後は、ため息と大歓声の中、大谷はソトとハグを交わし、笑顔で健闘をたたえ合った。「もう疲れていたので(歓声は)それどころじゃなかったですけど、まあ、終わってみれば楽しかったです」。

第1ラウンドで敗退したとはいえ、最長513フィート(約156・4メートル)弾をはじめ、500フィート(約152メートル)越え4本は出場8選手中最多。打球速度も上位4位までを独占した。今季は、疲労軽減などの目的で開幕戦以来、グラウンド上でフリー打撃は行っておらず、最初は戸惑いもあった。「1日にあれほど振ることはないんで。(外で)やってないので、なかなか距離感が取れないという感じでした。ホームランダービーだけで、あれだけ(観客が)入るとこは日本ではないですし、こうやって1日かけてやるということはないですけど、なかなかできる経験ではないので、すごく楽しかったですね」。勝ち負け以上に、初めて経験する夢舞台のイベントを満喫した表情だった。

正直に「疲れた」と話す一方、13日(同14日)の球宴本番には、「1番DH」としてスタメン出場し、特別ルールで先発投手としてマウンドにも上がる。「先発するので、まずはそこに合わせて、まあ打席にも立つと思いますけど、しっかり調整していきたいと思います」。打者としての相手は、サイ・ヤング賞3回の剛腕シャーザー。「自分のスイングができればと。すばらしい投手で何年も活躍しているので、どんな球なのか、気になります」。全米中のファンを魅了する「SHO-TIME」は、まだまだ終わらない。